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【第94回天皇杯 ラウンド16 愛媛 vs 大宮】プレビュー:リーグで低迷する同士のオレンジダービー初顔合わせ。結果以上に内容が問われる戦い(14.09.09)

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リーグ戦とカップ戦はやはり別物である。愛媛は7月30日以来カップ戦でしか勝利がなく、大宮に至ってはリーグ戦で最後に勝利したのは5月6日まで遡らなければならない。8月20日、J2史上最強の湘南を降した大宮、J1の強豪川崎Fにジャイアントキリングを演じた愛媛、ともにその勝利をリーグ戦につなげられず苦しんでいる。J1の17位と、J2の18位の戦い。ともにオレンジをチームカラーとするオレンジダービー、これが初の顔合わせだ。

大宮は8月30日、さいたまダービーに0-4の完敗を喫したその深夜に大熊清監督を解任し、渋谷洋樹コーチが監督に昇格した。急務は総失点がJ1ワーストに並んだ守備の立て直し。昨年は甲府のコーチを務めていた渋谷監督だけに、5-4-1の守備的戦術の採用もあるかと思われたが、まずは大宮の基本システムである4-4-2を継続する。新指揮官の守備のコンセプトは、「ボール中心の守備」。(相手の)人を中心に守備をするのではなく、ボールの位置によって絶えずポジションを修正し、準備し、「自分たちからボールを奪いに行く」(渋谷監督)と言う。悪いときの大宮は、人に付くのか、スペースを見るのかどっちつかずのまま、ボールホルダーにプレッシャーをかけられずに全体がズルズルと下がっていた。ここまで守備の戦術練習に費やした時間はそう長くはないが、「ゾーンを意識しながらスライドして、1人が長い距離をアプローチしたら全員が距離感を保つ。ゾーンで見ながら、行くときは全員で連動するように」(渡邉大剛)、守備の課題は整理されてきた。
また、失点を少なくするには、守備で相手の攻撃を止めることだけではなく、「バランス良く、規律を持ってボールを保持することが大事」だと、渋谷監督は言う。自分たちがボールを保持する時間を増やせば、それだけ守備の時間=失点のリスクを減らせる。監督交代以来、練習ではアップの段階からパスをつなぐことを意識するメニューが増えた。ボールを奪って攻撃の局面になれば、まずFWを見るようトレーニングでは強く意識付けされている。「トップに収められる選手がいるので、全体的に高い位置でボールを保持できれば。以前はDFラインの裏に飛び出すための位置関係だったけど、今はより距離感を近くして、つなぎやすくなっていると思う」(橋本晃司)と、より安定感のあるチームに生まれ変わるべく、大宮は準備を続けてきた。

対する愛媛は、8日に栃木とのリーグ第30節を終えて中3日で天皇杯に挑む。基本布陣は3-4-3で、前線からアグレッシブにプレッシャーをかけ、ボールを奪えば素早く前に運び、前線3枚のコンビネーションで仕留める、J2で主流になりつつあるスタイルだ。西田剛、リカルド ロボ、河原和寿、堀米勇輝らの前線は「コンビネーションもしっかりしていて、特に河原や堀米に入ったときに上手く中を突いてくる」(渡邉)ところを、新しい大宮の守備がいかに止められるか。ただ愛媛の弱点は、遅攻で自分たちがボールを保持しているときにある。特に3バックと2ボランチによるビルドアップが不安定で、少しプレッシャーをかけられてもタッチラインを割る場面が多く、栃木戦、その前節の大分戦でもそこでのパスを奪われて失点している。フィードも正確性に欠け、中盤で技術の高い原川力がU-21日本代表に招集されているのも痛手だ。前線からしっかり限定し、連動してプレスをかけられれば、大宮が主導権を持ってゲームを進めることができるだろう。
ただ愛媛は連戦の中日の試合であり、同じ状況だった3回戦の川崎F戦ではスタメンを全員入れ替えて臨んで、しかも勝利しているだけに、「どういうメンバーで来るのかわからない」(渋谷監督)のは大宮にとって不気味なところ。リーグ戦では、降格圏の大宮と違い、愛媛は降格圏とは勝点10差と、足元の心配はそれほどないが、J1昇格プレーオフ進出もそれ以上に現実的でない状況。「当然、この天皇杯に全力をかけてくるでしょうし、いずれにしても最大値を想定して準備する」と、初陣となる渋谷監督は多少緊張した面持ちで語った。

ただ愛媛にとっても、この試合の後に中2日でリーグ戦第23節・鹿島戦が控えている大宮のメンバーは読みづらいはず。渋谷監督は「やるからには優勝をねらう」と宣言したが、同時に鹿島戦のことも考えていることは、準備期間で何度も「愛媛・鹿島に向けて」と発言していることから明らかだ。指揮官に言わせれば「愛媛に対するベストメンバーと、鹿島に対するベストメンバーは必ずしも同じではない」。スロベニア代表のズラタンが不在だが、2トップに長谷川 悠と富山貴光、橋本晃司の2列目での起用、さらには福田俊介、藤井悠太、チョ ウォニらここまでチャンスを多く与えられなかった選手にも活躍の場が与えられそうだ。大宮にしても愛媛にしても、結果はもちろん、それ以上にリーグ戦へとつながる内容を見せられるか、そこが最も重要になるだろう。

以上

2014.09.09 Reported by 芥川和久
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