J1とJ2、カテゴリーの違う相手との真剣勝負の楽しさを、天皇杯では観ることができる。全国で行われた予選を勝ち抜いて、その地域の代表という誇りと自信をもって試合に臨む。そして、2回戦からはJリーグクラブも加わって熾烈さが増す。ここが、観ている人にはたまらない魅力の一つでもある。
天皇杯ラウンド16、鳥栖vs山形の対戦は2008年以来となる。この年のJリーグ開幕戦、鳥栖のホームベストアメニティスタジアムで鳥栖と山形は対戦した。
この時は、終了間際に鳥栖が得点を決めて1-0で勝利した。
第18節では、山形が3得点をあげてNDソフトスタジアム山形で快勝した。
そして、第37節は鳥栖が前半に決めた先制点を守り切ってNDソフトスタジアム山形で勝利した。その年以来の対戦である。ともにJ2で切磋琢磨していた時期、オールドファンには感慨深い対戦カードでもある。
鳥栖で当時から在籍しているのはGK赤星拓とMF高橋義希2人である。日本代表組が不在となる中で勝ち抜くためには、ベテランの力が必要になる。高橋に当時のことを聞いても「あまり覚えてはいませんが、どんな相手でも鳥栖らしさを出すこと…」と彼らしい答えが返ってきた。その鳥栖らしさである前線からのプレスと素早い攻守の切り替えが山形相手に出せるのかどうかが、ターニングポイントになるだろう。
山形は鳥栖らしさを消すために、しっかりとした守備から入るものと予想される。3枚の守備ブロック、状況に応じたシステム変更など、石崎信弘監督の手堅い試合運びにはまってしまうと鳥栖と言えど簡単に点は奪えない。山形にとっては中3日での試合となることもあり、カウンター狙いになる可能性もある。鳥栖がやや苦手としている引いて守る戦術をとられて、ボール保持率は高くても得点に結びつかない流れになると山形にも勝機が見えてくる。山形の関係者は「うちが遠慮する必要は全くない」と鼻息は荒い。天皇杯ラウンド16ならではの戦い方を観ることができそうだ。
今季、『何かしらのタイトルを取る』と宣言してきた鳥栖。昨年の天皇杯ではベスト4で敗れて初の栄冠を逃した。「昨年以上の成績をあげること」とFW池田圭はこの試合が終わりでないことを語っていた。この想いは、サポーターも同じ。代表組が戻ってきてチーム一丸となれるまで敗れるわけにはいかない。真の鳥栖の強さを示す一戦ともいえる試合である。
“カップウィナー”の称号を語れるのは1チームしかない。だからこそ意義があり、語り継がれる歴史となるのである。鳥栖は昨年以上の結果を、山形は2010年以来のベスト8をかけて戦う天皇杯ラウンド16、負けたら単なる記録としてしか残らない。記憶に残すためにも熱い戦いを見せてほしい。サッカーは、プレーの一つひとつがつながってこそ演出されるドラマである。
以上
2014.09.09 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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