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【J2:第30節 北九州 vs 福岡】レポート:合計8ゴールの熱闘。後半の5連続弾で福岡が流れ呼び、ダービーを飾る。北九州は先制するも逃げ切れず。(14.09.07)

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約束された熱戦は8回もの華やかなゴールシーンに彩られた。しかし、3−5というスコアは点を奪い合ったのではなく、あたかも違うシーズンの2試合を同時にやったかのような得点シーンの偏り。前半2−0、後半1−5。悲喜こもごも、熱い試合だった。

前回対戦同様に前半から積極的に攻めに出たのは北九州。前から掛けてくる福岡のプレスをうまく外して前線に供給し、6分、13分と立て続けにペナルティエリア内でビッグチャンスを作る。こうした積極姿勢は15分過ぎには落ち着き、高めだった両サイドバックのポジションも少しずつ後ろへ。今季の北九州らしいゆったりとしたボール回しからチャンスを伺うようになっていく。

こうした攻める時間とリトリートを使い分けるゲーム運びは主導権が北九州にあるということも示している。そして実際に21分、風間宏希のクロスに池元友樹が抜け出して先制。36分にはGK神山竜一のクリアボールを拾った内藤洋平がロングシュートを無人のゴールに放ち、2−0と福岡を突き放す。「無心に、チャンスだと思ったので狙った。でも、それよりも1点目。いい形でチームで取れた1点の方が貴重だし、僕らにしては大きな1点」(内藤)。チーム戦術が実り相手の守備を綺麗に崩した先制弾と、偶然のチャンスを見事に決めた追加点。この時点で流れは完全に北九州へと傾いていた。

ところが。ハーフタイムで動いたのは福岡。「我々は後半にかけて布陣と選手の変更をし、中盤のところで人数を掛けて試合のパフォーマンスに変化をもたらそうとしました」(マリヤンプシュニク監督)。追撃点は立ち上がりの47分。敵陣右サイドで得たフリーキックを武田英二郎は混戦のゴール前に送るのを避け、タイミングを外して近くにポジションを取っていた堤俊輔へ。この意表を突いた動きで守備がほつれると、「少し遠目からでも打とうという気持ちを試合前から持っていた」と堤はためらうことなくロングシュート。ゴール左隅を鋭く突き、スコアは1−2となる。

前半が違う試合だったかのように展開はワンサイドゲームの様相を呈し、決定的なチャンスが福岡に続いていく。56分に城後寿のヘディングシュートが決まって同点。その直後には平井の左からのクロスが一度跳ね返されたところを金森健志が拾い、右隅にミドルシュートを振り抜いて逆転に成功する。この間わずかに10分余り。北九州からみれば悪夢のような時間帯だった。気をつけていたはずの立ち上がり。主導権はおろか自信を持っていたはずの守備のブロックまで揺らいでしまった。

流れはなおも福岡に行ったまま。68分に前線のヘディングで繋いだパスを酒井宣福が決め4点目。76分にも平井がゴールを奪い、北九州に対して3点差を付けて試合をほぼ決定づけた。「今日のようなパフォーマンス、今日のような戦い、闘志や態度を持っていけば、ファン、サポーター、スポンサーを満足させていけると思う」とプシュニク監督。前半に浴びたブーイングや2失点をポジティブなエネルギーへと昇華させ、福岡が対北九州戦では2試合ぶりとなる白星を掴んだ。

北九州は最終盤、多田高行のクロスに池元が反応。リズミカルにコントロールすると身体を反転させて角度のない難しいコースからゴールに突き刺し一矢を報いた。しかし5失点のショックは小さくなく、2ゴールの池元自身、硬い表情のままテレビなどの取材に応じていた。
欠場の前田和哉に代わってゲームキャプテンも務めた北九州出身のストライカー、池元。「自分もチームも特別な感情が出てくるだろうなという1週間でしたし、いい試合を見せようという強い気持ちで臨みましたがこういう結果になって非常に残念です」と悔しさが滲んだ。ダービーで背負うものは大きく、ゴールという仕事も果たしただけに、やりきれないものも感じていただろう。それでも前を向けるのが池元らしさでもある。「(次戦天皇杯は)チームとしてもっともっと良くなるための大事な試合になると思う。またしっかりいい準備をしてやっていきたい」。立ち止まるくらいなら突き進んでいく。北九州っ子、池元の姿がそこにはあった。

福岡は勝点を積み重ねて7位に浮上。北九州は結果的には4位をキープした。「ここから連戦だし、力のあるチームと多くやる。この負けを次にいかし、シーズンが終わった時に自分らが笑っていれれば、終わったときに良かったなと言えればいいなと思う」とは内藤。リーグは残り12試合。結果を追い求めた熱戦はそれぞれの目指す位置に向けた再スタートのゲームとなった。

以上

2014.09.07 Reported by 上田真之介
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