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【J2:第30節 北九州 vs 福岡】プレビュー:結果をひたすらに追いかける熱きダービーの今季第2幕。女神がほほえむのは好調キープの北九州か、雪辱を期す福岡か。(14.09.05)

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純粋に結果だけを追いかけてゆける試合だ。バトル・オブ・九州、北九州vs福岡。歴史を築きつつあるダービーは今回対戦も熱く激しいゲームになる。『なるだろう』でも、『なるかもしれない』でもなく、熱闘はすでに約束されている。

北九州と福岡のダービーは過去に7回あり、対戦成績は北九州の2勝5敗。ただ北九州が年間1勝に終わり、また福岡がJ1昇格も決めた2010年をとりあえず横に置けば――つまり2012年以降の結果に限って話をすれば――戦績は2勝3敗ということになり、拮抗してきていることが伺える。それは無理なこじつけではなく、リーグの最終順位を見ていけば2012年は北九州が9位で福岡が18位。2013年は16位と14位、今年は現時点で4位と9位という数字からも戦力の近接が伺える。

そして北九州サポーターが心待ちにしているのはあの試合の再来だろう。J2昇格以降の本城で最多の入場者数となった2012年の第29節。池元友樹の先制弾で対戦4回目にして初めて福岡から得点を奪うと、現在はJ1に復帰している端戸仁(横浜FM)の2ゴールと、常盤聡(東京V)のロングシュートで4−2と快勝。福岡から初勝利を挙げ、満員近くに膨れあがったスタジアムは歓喜に湧いていた。
「サポーターの盛り上がりが(いつものゲームとは)違う。北九州サポーターの福岡に勝ちたいという気持ちは感じているし、4−2で勝ったあとのサポーターの喜びはすごかった」。そう語るのはチーム最古参の冨士祐樹。前回対戦でも貴重な先制ゴールを挙げている冨士は「今度も決めて真のダービー男になりたい」と意気込み熱く、サポーターの盛り上がりを背中に感じながら戦いの舞台に出て行く。

もっとも4−2のゲームからは大きくメンバーが入れ替わり、あのゲームを原点と感じている選手は少ない。ただ今シーズンのベストゲームとして福岡との前回対戦を挙げる選手も多く、対福岡戦には好感触を抱いる。前回対戦は4月29日。立ち上がりから高い位置でボールを回すことができ、主導権を握れた試合だった。今季のチームとってはこのゲームを再び見せつけたいところ。星原健太と内藤洋平はともに「サポーターにとっても盛り上がるサッカー」としてゴールに近いエリアでのプレーにも言及。「無理に前から取りに行ってバランスを崩してもいけないので重心は低くなってしまうが、カウンターばかりではなくゴール前でパスを回す場面も増やしたい」(内藤)と話し、ゴール前でのシーンを増やす構えを示した。両選手に同時に話を聞いたわけではないがサイドを駆け上がる星原と内藤のゲーム観が一致していたことは、良好な関係性が築けていたり、攻撃への意識が共有できている証左。守る時間と攻める時間の切り替えがうまくハマれば、きっとスペクタクルなゴールシーンが見られるはずだ。

見どころはほかにもある。例えば北九州から福岡に移籍した森村昂太や特別指定として北九州で初のJ舞台を踏んだ中原秀人とのとの対戦。とくに中原は福岡ではゲームメイクの中軸を担っており、楽しみと警戒の両面が入り交じる。「楽しみな試合。一緒にやっていたので(中原の)特徴も分かるが、秀人も僕の特徴というのは分かっていると思う」と話したのは北九州市出身の池元友樹。福岡については「特別な感情が出てくる相手」と意識し、「運動量や球際のところで気持ちを強く持ってプレーしていきたい」と熱い。また、冨士は「秀人はいい選手だし、頭がいい。(難しい練習メニューの多かった)泰さん(三浦泰年前監督)の練習にぱっと入っていけた」と称えつつ、「アビは前から勢いよく取りに来る。そこを外せればチャンスになるし、押し込まれれば向こうのペースになってしまう」と話し真剣勝負で迎え撃つ。

もうひとつカギになりそうなのはセンターバック。北九州は前田和哉が累積警告のため出場停止。市川恵多か寺岡真弘のどちらかがファーストチョイスとなりそうだ。ディフェンス面に関して、柱谷幸一監督は「まずは中を締めてパスも人も間を通させないようにしたい」と話す。センターバックについては「イチ(市川)は安定していていて、精神的な安定感もポジショニングも良い。テラ(寺岡)はアグレッシブな守備ができる選手だしポゼッションもできる」とともに評価。どちらが出ても試合経験は少ないが合わせる渡邉将基は「おのおのが、おのおののプレーをするだけ。試合中はちょっとしたコミュニケーションを多めに取って細かい確認はしていきたいが全く問題ない」とリラックスした表情を見せた。もちろん個の力への対応となれば渡邉への負担は大きくなるが、前節の京都戦では多田高行の途中投入でサイド攻撃を受ける回数を減らし、岡山戦では八角剛史や前線からのチェイスでボランチの動きを封じるなど、組織的な守備も機能している。守備に関しての「全く問題ない」という言葉はその通りだろう。

対する福岡は前回対戦ではホームで0−1の敗戦。今節は雪辱を期す戦いとなる。勝利への近道はもちろん福岡らしさを出すこと。前回は北九州が想定以上に前から来ていたこともあり、福岡らしさが消えてしまっていた。ただ「らしさ」を忘れていたわけではない。前節の横浜FC戦では敗戦を喫しているがそれまでは5戦負けなしと調子を上げ、攻守にわたるチームの総合力は高まってきている。無得点に終わった横浜FC戦でも中原秀人を起点に、坂田大輔の絡んだサイドでの攻防、城後寿、金森健志のゴールへ向かう個の力は見ごたえがあった。途中交代した坂田の足の状況など不安もあるが、福岡らしさを出すことに障壁はない。クロスや個の突破力に加えて、武田英二郎のロングスローも武器となるかもしれない。攻撃パターンの多彩さはゲームに文字通り彩りを加えることになる。

ダービーは選手以上にサポーターにとって勝ちたいという思いが募る試合だ。もし仮に間延びしたようなスタートになってしまっても、熱い声援とスタジアムの興奮がピッチ上にいる者の闘志に火を付ける。実際に本城でもっとも多くの入場者数を集めた試合が4−2のあのゲーム。両チームあわせて6ゴールの華やかな試合は、地域としての北九州と福岡の対戦にふさわしい。約束された熱戦、ダービーらしい試合をピッチをスタンドが一体となってともに作り上げていきたい。

以上

2014.09.05 Reported by 上田真之介
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