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【J2:第30節 栃木 vs 愛媛】プレビュー:前節の下剋上は過去のこと。旧知のロボと河原を抑え、栃木は後半戦初の連勝を狙う。(14.09.05)

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過去は未来に多くを約束してくれない。

前節は名門・磐田を相手に3−2で打ち勝ち、8試合ぶりに歓喜が沸点に達した。専売特許になりつつある下剋上を成したが、選手たちは一息つく気など更々ない。「次の愛媛戦が大事になる。負ければ札幌戦のドローと磐田戦の勝ちが半減する」とは大久保哲哉。今週の取材では誰もが大久保と同じ思いを口にした。そこからは、「磐田に勝ったからといって、次もいい(試合内容と結果になる)とは限らない」(荒堀謙次)、磐田戦を境に反撃の狼煙を上げたい、という思いが透けて見える。

“グリスタ”で迎え撃つ愛媛とは相性が良いわけではない。前回の対戦では勝ったものの、1−0の辛勝だった。クロスゲームになる気配が濃厚なことを、選手たちは察しているのだ。だからこそ、気を緩めることなく、逆に引き締めている。後半戦初の連勝に向け、メンタル面の準備に抜かりはなさそうだ。

直近の2試合、札幌戦も磐田戦も失点を喫しているものの、以前に比べればコンパクトな陣形を保てるようになったのは好材料だ。互いの距離感が近く、ボールを失ってもすぐに奪い返せるようになってきた。ブロックを組んだ時に崩れなくなったのも大きな進歩だ。また、攻撃面では安易にロングボールを蹴る回数が減り、徐々につなぐ意識が芽生え始めてもいる。まだまだボールロストの回数は少なくないが、ボールを握る時間が増えてきたことで無駄な体力のロスが防げるようになった。酷暑が和らいだことも多分に影響しているが、コンパクトになった好影響は様々なところで見受けられる。

愛媛の前線には、“栃木史上最高のストライカー”リカルド ロボが君臨している。もしかすると、彼のペナルティエリア内での強さと怖さは、愛媛DF陣よりも栃木DF陣の方が熟知しているのではないだろうか。ゴールに貪欲な狼(ロボの日本語訳)が好む狩場に近付けないようにするためにも、今節の鍵が「コンパクトさ」にあることは言うまでもない。組織的に守ることでイライラして中盤に下がる癖を引き出し、ロボの無類の決定力を削ぎ落としたい。平常心を奪い、封殺できるか。

対する愛媛は、前節の大分戦で先制しながらも逆転負けを喫した。5戦未勝利と不振に喘いでいるが、結果ほど試合内容が悪いわけではない。栃木がそうであったように、ひとつのきっかけで変わる可能性は十分に秘めていると言えるだろう。

形勢を逆転するために栃木戦を落とすわけにはいかない。古巣戦に異常なテンションで挑んでくる河原和寿は、ただ今絶好調。大分戦も古巣戦だったが、きっちりと恩返し弾を決めており、前節の再現を目論んでいるはずだ。最終ラインの背後を突く動き出しは、相変わらず秀逸。“スペースインベーダー”河原の特長を知り尽くしている赤井秀行は、だからこそ警戒心を強めている。実際、前節のゴールはDFの死角から飛び出して決めたモノだった。ロボと河原に堀米勇輝を加えた3枚は前線に攻め残る傾向にあり、この3枚が織り成すカウンターは迫力抜群。後ろが我慢しながら守り、託されたボールを前線が決め切る。オレンジ軍団は得意とするパターンを繰り出せるか。

前々節は荒堀が、前節は西川優大が、それぞれゴールを奪った。8月に加入した新戦力が早速、目に見える結果を残し、阪倉裕二監督が望んだ「新しい風」をチーム内に吹かせている。
「新しい選手が活躍し、いい意味で競争意識が生まれている」。
指揮官は現状をそう捉えている。停滞気味だった競争原理が働いたことで、既存戦力は刺激を受けている。前節は大久保哲哉が決勝弾を決め、そのゴールをイ ミンスがお膳立てしたのが、その証左だ。

ピタッと止まっていた歯車が、ようやく動き出した。この流れに乗ったまま、9月から、秋から夏場の鬱憤を晴らす快進撃を遂げられるか。後半戦初の連勝を、その足掛かりにしたい。

以上

2014.09.05 Reported by 大塚秀毅
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