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【J2:第29節 京都 vs 北九州】レポート:相手ゴール前にボールを運んで素晴らしいゴールを見せた京都と北九州だが、あと1点が遠く勝点1を分け合う結果に。(14.09.01)

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4位・北九州と8位・京都との一戦は互いにもう1点に届かず勝点1を分け合った。
メンバーは、京都がドウグラスを右サイド、横谷繁をトップ下に先発に起用。また、センターバックにバヤリッツァを置いた。
試合は、京都が勢いを持って入り、開始早々に、右CKをバヤリッツァが頭で合わせるもボールはゴール上を通っていく。32分には山瀬功治が左サイドからシュートを放つもGKのファインセーブで阻まれる。それで得たCKは中央にボールがこぼれ、バヤリッツァがシュートを放つもヒットせず力ないボールがポストに当たる。
すると北九州が一瞬の隙を突く。38分、中盤の内藤洋平がパス交換から中へ侵入、中央でポジションを取っていた原一樹へ柔らかいパスを送る。原はDFの裏を取り、ボールをゴールへ流し込む。北九州が先制。その後も前半終了間際にも原は右からのクロスをボレーで合わせるなど随所に存在感を示した。

後半に入り、京都はギアを上げようと工藤浩平を右サイドハーフで投入し、ドウグラスをトップ下に置く。そして、後半18分、右サイドで工藤から、そこを追い越した石櫃洋祐に渡ると、石櫃がクロス。これを逆サイドのポスト側でドウグラスが頭で合わせ、京都が同点に追いつく。
同点に追いついたことで試合が動く。失点直後の後半19分には池元友樹がシュート。同30分、ボール奪取から、中央の山瀬から大黒将志へボールが入る。大黒はトラップでDFを置き去りにしてシュートを放つも北九州GK大谷幸輝がファインセーブ。すると、直後に北九州が左サイドからクロス、京都GKオスンフンがパンチングしたボールを小手川宏基が胸トラップからシュート。後半36分には京都が、ドウグラスが右サイドにはたいて、工藤、石櫃と渡り、石櫃のクロスに中に入ってきたドウグラスがフリーで頭で合わせるも枠を捉えきれない。するとその後には、北九州が左からクロスを入れて、中央ではマークを外した井上翔太がシュートを放つ。互いに見せ場を作り合う展開にスタジアムは緊張と期待で膨れ上がる。だが、それ以上スコアは動かずタイムアップ。互いにあと1点に及ばず引分けた。

試合後、柱谷幸一監督はゲーム内容について「我々はカウンターのチームと思われがちですが、カウンターも出来るし、ああいう点の取り方もできる。それはやはりチームの成長ではないかなと思います」と自信をのぞかせた。ゴールシーンは内藤からのラストパスだが、そこに至るまで、京都のプレスをいなして、落ち着かせてから原への動き出しに合わせた。相手の隙間を巧みにつく素晴らしい崩しだった。逆に言えば、京都は中央で得点能力に長けたFWのマークを外したとも言える。

京都の守備について、個人的な感想だが、一度コンパクトにして陣を敷いてからボールを取りに行く時に奪える感じがあまりしない。前半で大黒と横谷がボールに行くが、周囲が連動しないので大黒、横谷の背後や横にパスを通されて持ち込まれるという場面が多いと感じた。「連動すればいいではないか」と思われがちだが、田中英雄、中山博貴が行くと、今度は中盤が空く。京都のDFとMFの間にポジションを取る、それ以上に多いのがロングボールをDFの背後に送る形、これで一発を狙われる。
「プレスをかけることで、相手の縦に入れるボールの精度が低くなる」ということならそれで良いが、前線でプレスに行く選手はその辺りのことを理解してどういう角度でボールを奪いに行くかを整理する必要があるだろう。
大分の田坂和昭監督は、『京都だから逆につなげる』という主旨の発言をしていたと思う。京都がプレスに来るということは相手チームも解かっていて、バックパスでもいいからプレスの一つ目をいなせばつなげるぞ、というのも理解しているのではないかと思う。「前半を失点ゼロで」と試合後、コメントする京都の選手もいたが、失点ゼロを口にすると、攻撃の厚みは薄くなる。攻撃の厚みが薄くなると相手ボールになる回数も増える。すると、コンパクトにして守る時間帯も増えるとなるだろう。それでは駄目だとは全く思わないが、今節の前半のプレスのいなされ方は目立つものだった。

プレスに関して言えば、他のJ2チームで多いのが、サイドに入ったら「それっ!」とボールにプレッシャーをかけるやり方。去年までの京都のやり方といえば、「ボールに行く」ことを前提としていたが、それと同様に「サイドを変えさせない」という決まり事もあった。さらには「逆サイドが薄くなってでも」ボールサイドに圧力をかけるという考え方も浸透させていたはず。サイドに押し込んで、逆サイドを薄くしてでもボールサイドで高圧プレッシャー。これでボールを奪っていた。だが、そこをかいくぐられて逆サイドに運ばれる場面もよくあった。こうした守備をしていたのでDFラインの駆け引きも少ない守り方になったと思う。逆に言うと、これくらいことをしないと帰陣してからのボール奪取は難しく、相手のパスミス、トラップミスを拾う方が場面としては多くなる。相手がミスをしたのか、こちらがミスを誘発したのか、というのは議論のあるところだが―。

と、プレスについて書いてみたが守備の肝は別の所にあると思っている。相手はゴールを奪おうとしてどこにボールを集めるかと言えば、京都のゴール前だ。ゴール前にいる選手に集める、ゴール前に入って来る選手に送る、ゴール前が主戦場となる。なので、ゴール前、或いは中央で、的確に対応できることが守備の肝となると思う。ゴール前でマークを外す、ゴール前に入って来る選手を捕まえ切れない、となると失点の可能性がグンと高くなる。相手がゴール前にどうやって攻めようとしているか見極める、これが出来れば守備の面白みも出てくると思う。だがもちろん、それが簡単に出来れば苦労はしない、のであるが。

以上

2014.09.01 Reported by 武田賢宗
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