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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第29節 讃岐 vs 岡山】レポート:瀬戸大橋ダービーの決着は讃岐に軍配!讃岐が“相手の良さを消して自分たちの良さを出す”サッカーで岡山を封じ込める。(14.09.01)

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讃岐は降格圏内からの脱出を図るため、岡山はJ1昇格に近づくため、どちらにとっても負けられない一戦。戦う舞台は瀬戸大橋ダービー。これ以上、気合の入るシチュエーションはない。両チームの今季を左右するかもしれない戦いは讃岐のホーム開幕・ジュビロ戦に次ぐ2番目に多い7,722人(うち岡山サポーター約3,200人)のサポーターが見守る中、キックオフの時を迎えた。

試合は序盤から激しい攻防を見せた。ファーストシュートは8分に岡山。三村真が中央の石原崇兆へ横パス。石原から前線の押谷祐樹へつなぎ、フリーになった石原へと戻してシュート。が、これは瀬口拓弥がファインセーブ。続いては讃岐。山本翔平から木島への縦パスを千明聖典がカットしようとするもクリアミスとなってしまい、それに素早く反応した木島が中林洋次の右をついて冷静に決める。木島はこれで3試合連続ゴール。その後、球際の激しさから何度も主審の笛が鳴らされるハードなゲームとなり、迎えた前半アディショナルタイム。石原から中央の千明へとパスが通り、左へ走りこんできた押谷へ。押谷は讃岐の選手4人に囲まれるも、ほんの少し寄せが遅かった右スペースを使って技ありシュート。1−1で前半を折り返す。

後半は岡山が開始直後から得意のサイドを効果的に使って讃岐を揺さぶる。讃岐は前半に相手の蹴ったボールが顔面を直撃し顔からピッチに倒れこんで脳震盪を起こした木島に代わって入ったアラン、もしくは高橋と前線に一人だけ残し守備を固める。是が非でもゴールをこじあけたい岡山は65分、初出場となるウーゴを投入。しかし少ないチャンスをものにしたのは讃岐だった。76分、途中出場の堀河俊大のコーナーキックから右に上がっていた藤井航大が中央でフリーになっていた沼田へグラウンダーのクロス。沼田が押し込んだボールは、中林と共にゴールラインで構えていた千明の股の間を抜け、わずか10cmほどラインを割って讃岐が再びリードを奪った。岡山は高さのある片山瑛一、久保裕一を投入し空中戦へと持ち込むも、讃岐は集中力を切らさず全員が体を張って岡山ボールを跳ね返す。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、決勝点を決めた沼田は満面の笑みでガッツポーズをしながら天を仰いだ。

瀬戸大橋ダービーの決着は讃岐に軍配が上がったが岡山のサッカーが悪かったとは決して思えない。展開力や運動量はさすがだと思わされた。引いて守る讃岐に対し、ボール支配率も岡山がかなり勝っていただろう。ただ、得意のスピードにのった縦への攻撃があまり見られなかった。特に追う展開となった後半終盤にはロングボールを多用する事に終始。これは「岡山は凄くよく走るけどスペースがなければ彼らも走れない。スペースを消していきたい」と話していた北野誠監督の戦術が讃岐の選手全員に浸透し、“相手の良さを消して自分たちの良さを出す”サッカーを讃岐が徹底して行った結果だ。讃岐は素早いプレスで岡山のスペースを消しつつ、前線に一人ないし二人残してゴール前をがっちりガード。攻撃では、長いパスで相手を動かしてスペースを作り出す。「それが今までずっとやってきたトレーニング。それが、ここ何試合かは出来てきている」とは試合前の北野監督。出来ていながらも勝ちに結びつかなかった讃岐だが、4試合ぶりの勝利という結果で指揮官の思いが、ようやくピッチに花開いた。

この勝利で讃岐は20位の東京Vとの勝点差を「7」に縮めた。次は、いよいよ東京Vとの直接対決。今日のように最後まで全員が集中力を切らさないプレイを期待し、様々な戦術を繰り出す北野監督の手腕に注目したい。

そして、リーグ5位の岡山。4位の北九州との勝点差は「2」に広がり、6位の大分には「2」に詰め寄られた。J1昇格、そして来季J1で戦う為に最後のちょっとした精度、ぶれない強さが、もっと必要になってくる。押谷の言葉通り「この負けを次にどう生かすか」が重要だ。

大いに盛り上がった瀬戸大橋ダービー。この力強さと興奮を選手はもちろん、サポーターも次の試合につなげて欲しい。

以上

2014.09.01 Reported by 中條さくら(オフィスひやあつ)
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