今季は5月以降、長らく調子が優れぬ長崎だったが、8月はアウェイで群馬に4点をあげて勝利し、スコアレスドローとなったが福岡との激しい試合でホームの観客を沸かした。徐々にアグレッシブな自分たちのサッカーを取り戻しつつあるように見えた。何と言っても天皇杯3回戦では延長までもつれながらも格上の新潟から金星をあげた。「流れが変わってきた」。誰もがそう思い始めた。しかし同じように好調な北九州には長崎を上回る勢いと自信があった。長崎は圧倒的にボールを保持するも、したたかな北九州の2発に沈んでしまった。
前節の長崎は引いた相手にあまりプレスがなかった。今節もおそらく「富山はブロックを敷く」(高木琢也監督)。そこをどう崩すかがこの試合のポイントの一つになるだろう。ワイドの古部健太は「ミラーゲームになる。こっちから仕掛けていく」と話すと、小松塁も「この試合では『個の対決』がもつ意味が大きい」と気合も充分だ。
前回は雨の中、アディショナルタイムにセットプレーの流れで決勝点をあげられた。あまりにも屈辱的な負け方。高木琢也監督も前回大戦後は「我々は最下位に負けたのだから事実上、最下位のチームなんだぞ」とチームにハッパをかけた。最下位だけには負けられない。なんとしてでも4月以来のホーム戦勝利を絶対につかみたい。北九州に負けた後は、走りこみを重ね、3時間以上に及ぶ猛練習を課した。
また、高木監督は富山について「内容が良いながらも結果に繋がっていないという意味では長崎に似ているのかもしれない」と話し、「人の出入りがあったが基本的にサッカーは変わっていないと思う。ただ、中島翔哉がいなくなったことで苔口卓也などが出る。サッカーがよりスピーディーになるだろう」と警戒していた。
ただ、富山はここ8戦勝ち星がない。アウェイにいたっては今季は1勝もない。様々な原因があるだろうが、安間貴義監督は「内側の部分(メンタル面)が課題になっているのは認識しており、克服できるようにやっていく」と捉えている。前節の熊本戦も中三日の日程で選手は体力的に厳しいものがあったが、前半はかなり集中したものの後半は崩れてしまった。
加えて、今節はここまでチームで唯一全試合出場し、強烈なドリブルが魅力の中島翔哉選手が古巣のFC東京に復帰してしまった。また、CBの秋本倫考が熊本戦のラフプレーで今節は出場停止。攻守の要がピッチにいないというダメージはあるだろう。そこで、新規加入したワイドの前貴之やGK廣永遼太郎ら助っ人陣に期待したい。その前について、前節終了後、安間監督は「練習を見て技術があるのが確かめられた。(負傷した内田健に代わって)ワイドでボールを引き出して保持できる彼の力が必要だと考えた。前半からよくボールに絡んでくれた」と評価している。今節は長崎の右ワイド、古部との対決になるだろう。
長崎対富山。J2リーグ全体を見渡すと注目されるカードではないかもしれないが、互いの街やクラブにとってはもはや勝つことだけが求められた極めて大きな試合だ。
以上
2014.08.30 Reported by 植木修平
J’s GOALニュース
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