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【J1:第22節 名古屋 vs 川崎F】プレビュー:名古屋と川崎F。自他共に認める攻撃重視のチーム同士の再戦は、ベクトルの異なる“メリハリ”の利いた攻め合いに期待。(14.08.30)

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今季、すでにリーグでの黒星が二桁に達しているJ1クラブは4つある。徳島、大宮、清水、そして名古屋だ。悪いことには、名古屋は10敗中7敗をホームで喫している。多くのサポーターの声援を受け、戦い慣れたスタジアムで相手を迎え撃つ。そこにアドバンテージこそあれ、ディスアドバンテージなどあるはずもない。しかし、今季の名古屋はホームでのリーグ戦11試合で1勝3分7敗と大きく負け越しているのである。かつてない負の連鎖は、そろそろ断ち切らなければならない。

だが、眼前に立ちはだかる敵は強大だ。現在、首位を勝点差2で追う4位の川崎Fは、鹿島に次ぐリーグ21試合38得点の得点力を誇る攻撃的なチーム。それを裏付けるように前線には12得点で得点ランク1位の大久保嘉人と、9得点で同3位の小林悠がおり、左サイドアタッカーのレナト。ボランチの中村憲剛と演出家の顔ぶれも過不足ない。3月の前回対戦ではスコアこそ1-0と最小点差だったが、内容的には名古屋をほぼシャットアウトした。その強さを田中マルクス闘莉王は「いまJ1で一番良いチームだと思うよ」とシンプルな言葉で評する。

「相手にボールを持たれてしまうと、自分たちの時間帯が全部カウンターになってしまう。やっぱり(中村)憲剛がいたり、大島(僚太)くんだっけ?彼も良い選手だよね。それだけでなく、後ろからの飛び出しがあるからこそああやってパスをつなげる。(大久保)嘉人もすごく効いているね。キープされるとなかなかボールを取れない。飛び込んじゃうと抜かれる。でもやっぱり怖いのは裏への飛び出し。前線でパスを回されている分には問題ないんだけど、嘉人はギャップを作る動きや、飛び込んでくる動きを持っている。小林悠も利いているし、レナトもいる。個人の能力としても他チームより上だと思う」。

闘将も畏怖する上位陣との対戦だが、ここにきて名古屋は不安要素を抱える事態になってきた。移籍加入以来、休むことなく攻撃の中心として決定的な仕事をしてきたレアンドロ ドミンゲスが火曜日と水曜日のトレーニングを欠席。右膝を痛めての療養措置であり、本人は木曜日の非公開練習からの復帰を示唆していたものの、状況は不透明だ。周囲のアタッカーたちを生かし、自らも得点が狙える司令塔が欠場となれば、名古屋にとっては痛手以外の何物でもない。水曜日、玉田圭司はノーコメントを貫き、矢田旭は「レアンドロの欠場は僕にはチャンスですけどね」と意欲を見せたが、100%の戦力で臨めないというマイナス要素はそれでもある。

しかしながら名古屋の指揮官は、少しずつ形になりつつあるチームに手応えを感じてもいる。ここまでのリーグ戦21試合では負けが先行しているものの、スコアは広島戦以外は勝っても負けても1点差。それは勝負強さが足りないと言える一方で、裏を返せば大崩れはしていない証拠でもある。「『粘り強く』という言葉はあまり使いたくはないんだけど」と前置きした上で、西野朗監督は川崎F戦への見通しを次のように語ってくれた。
「攻め合うけど、守りも安定させる。そういう戦いをしたいですね。自分たちが攻撃を受けるだけでなくて、出ていく強さもなければいずれはやられてしまう。我慢の展開は避けたいし、相手にそうさせる時間を作らないといけない。ではそこで何をするかといえば、例えば速さを生かすということ。それは身体能力の速さだけでなく、攻撃に切り替わる際の意識の速さでもある。シンプルに手数をかけない攻撃のイメージは出したい」

リーグ随一のポゼッション力とパスワークによる崩しを誇る川崎Fに対し、名古屋はよりゴールに直結する先鋭的な攻撃で対抗するつもりだ。その意味ではレアンドロ欠場時のインパクトは大きいが、玉田や矢田、田口泰士らも決定的なパスを出せる選手である。気をつけたいのは単調な攻めにしないこと。その点に関しては「川崎Fにはまだ波がある。前回はチャレンジすればよかったところをしないからああいう展開になったので、押し込んだ形からこっちもパスをつなげばいい。カウンターか、多少カウンター気味にして押し込んだ後につなぐ。そのメリハリをしっかりつけなければいけない」と闘莉王も言っている。

つまり勝負は両チームの“メリハリ”の付け方ということ。川崎Fが「いつでも崩しに行ける」というポゼッションから、大久保や小林の動き出し、レナトのドリブル、そして中村憲のパスで急所を突きに行くのに対し、名古屋は守備から攻撃、いわゆるポジティブ・トランジッションの速さを軸として、ケネディや永井謙佑、川又堅碁らの能力を活かす。その上で機を見て落ち着く時間も作る。どちらの緩急が功を奏するか、ピッチ上の力関係の推移は大きな見どころとなる。

名古屋は勝てば今季のリーグ戦瑞穂2勝目である。なんとも寂しい数字ではあるが、勝たないことには道は開けていかない。夏休み最後の週末に集う様々なファン、サポーターの前で、スペクタクルに富んだ激しい“勝ち試合”を見せてほしいものだ。

以上

2014.08.29 Reported by 今井雄一朗
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