今年６月11日、アニメ好きで知られている井林章選手が、ホームタウンである立川市に本社を置く株式会社壽屋と、Ｊリーグ初の「フィギュアパートナー」契約を締結しました。井林選手が公式戦で得点を挙げると、壽屋から希望のフィギュア１体がプレゼントされるという、井林選手にとってはなんともうれしい契約です。
そして、７月13日(日)に行われた天皇杯２回戦・北九州戦で見事にゴール！待望のフィギュア贈呈式が、８月28日(木)に行われました。

「Ｊリーグ初のフィギュアパートナーとして、点を獲って、こういう形でまず第一歩を進むことができたことは、クラブにとっても自分にとっても新たな一歩になったと思います。毎試合、ロッカールームを出て行く時にベンチ外のチームメイトたちとハイタッチをするのですが、その時に『フィギュア獲ってこい！』と言ってくれる選手も多いので、毎回それを意識しながら試合に臨んでいました」
毎試合、フィギュア獲得は大きなモチベーションになっているようです。
さて、気になるのが、記念すべき１体目としてどのキャラクターをリクエストしたのか、ということでしょう。答えは、『とらドラ！』の逢坂大河（あいさか・たいが）。
「かわいらしさというか、あのツンデレさが、自分の感覚を刺激してくれるような娘なんです。僕、ツンデレが好きなんですよ（笑）。ツンツンしているくせに、実はそうなの？的な感じがたまらなくいいんですよね〜。アニメを見るたびに『いいな〜』って思って」

そんなコメントをしながら、逢坂大河フィギュアを大事そうに抱えて記念撮影をしていると、練習に向かう日テレ・ベレーザの選手たちが次々とその横を通り過ぎていきます。「イバちゃん似合う〜」「そんな女の子、実際にはいないよ〜」など、岩清水梓選手たちに冷やかされて大テレの井林選手。
フィギュアを贈呈した壽屋の杉山学さんは「娘を嫁に出す父親の気持ち。『幸せになっておくれよ〜』的な感覚です。でも、井林くんはしっかりした青年なので、大丈夫だと思います（笑）」と安心の笑顔を見せていました。

ただ、井林選手がこのフィギュアを選んだのは、単に「逢坂大河がタイプ」という理由だけではありません。
「初めは好奇心が主だったのですが、実際にこういう機会をしっかりモノにして周りに広めていくことが、（フィギュアパートナー契約している）自分にとって一番重要な役割だと重々感じました。ほかのアニメのキャラクターもいくつかいただきたい候補にはあったのですが、僕はアニメは『とらドラ！』推し。学園モノで恋愛がメインで、ついつい『こんなことあったよな』と、自分の学生時代と重ね合わせて見るシーンが多くて、刺激のあるアニメで本当におもしろいんです！でも、ちょっと前のアニメなので、改めて宣伝というか、これを機に少しでも知っていただければいいなあという思いもあって、選ばせていただきました。みなさんも、『とらドラ！』を一度ぜひ見ていただけたら、うれしいです」
この言葉を聞いた壽屋・杉山さんは、「パートナーとしての貢献度は、期待以上です。フィギュアだけではなく、いまやサブカルチャー業界の王子。まさに『サブカル王子』です！」と、アニメの普及活動に対しても積極的な思いを語るＪリーガーに、とても感激した様子でした。
ただ、残念ながら周囲の反応は「ヴェルディの選手は、なかなか受け入れてくれなくて…（井林選手）」という状況なのだそうですが、自宅に遊びに来た選手にはオススメのアニメを見せて、何とかチーム内にもアニメファンを増やそうと頑張っているとのこと。「自分だけで満足するのではなく、オススメして、見てくれて、おもしろいと言ってくれたらうれしいじゃないですか」というこの姿勢、実は大学時代から変わらないそうです。

さて、井林選手が次に狙っているのは…？　
『狼と香辛料』の「ホロ」、『ＳＡＯ』の「アスナ」と、リクエストはすでに決まっているそうです。
「こういう機会があることで新たな人にも知っていただけると思うので、これからも貪欲に狙っていきたいと思います」
今後の新しいフィギュア贈呈に備え、すでに自宅のテレビ横にしっかりとスペースは確保。今回いただいたフィギュアについても、「いま持っているほかの１体と並べ、２トップみたいな感じにしようと思っています」と構想を語っていました。
家でリラックスしながら幸せそうに逢坂大河嬢を見つめる東京Ｖのセンターバックの姿…。贈呈式での笑顔から、みなさんにも想像できるのではないでしょうか。

以上

2014.08.29 Reported by 上岡真里江