8月20日に行われた第94回天皇杯の3回戦。愛媛はJ1で2位につけていた川崎Fと対戦しました。
しかしJ2リーグ戦では連敗中、しかも連続4失点という厳しい状況でのJ1への挑戦。17日の松本戦から中2日ということもあり、石丸清隆監督が選択したのは先発11人全員の変更という大胆な決断でした。「リーグ戦で悪い結果が続き、チームに危機感が生まれていました。だから、メンバーが代わっても『やれるんじゃないか』という感じもあってスタートしました」と石丸監督は振り返りましたが、その言葉どおりチャンスを得た選手たちは自信を持って試合に挑みました。
試合が始まると、まだリーグ戦では出番のない江口直生や、スタメンから遠ざかっていた表原玄太らが積極的に仕掛けて川崎Fゴールを狙い、先制点が生まれたのは前半34分。表原が得意のドリブルから貴重な先制点を決めて見せました。高校卒ルーキーながら3月の東京V戦では早速J初ゴールを決めていた表原でしたが、今回は5月の磐田戦以来となる公式戦でのスタメン。「リーグ戦ではずっと出られなくて、チャンスをもらったら結果を出そうと強い気持ちを持っていました」と試合後に語ったように、しっかり結果を出しました。
最終的にはこの1点を守り切った愛媛が金星を獲得。愛媛と同じく、川崎Fも連戦の中でリーグ戦から11人全員が入れ替わったメンバー構成だったとはいえ、愛媛にとっては広島を下した第91回大会以来、3年ぶりのジャイアントキリングを成し遂げました。
その結果として「やるからには勝つことを考えてプレーしました。その一番の目標を達成できてうれしい」と振り返ったGK大西勝俉は、続くJ2リーグ戦(水戸戦)でもJ初出場を勝ち取ることに成功。水戸戦はスコアレスドローに終わりましたが、連敗を止めてリーグ戦でも悪い流れを断ち切ることができました。
そして何よりもチームの収穫となったのは、メンバー全員に試合に出る資格がある、ということがはっきりしたこと。今季、攻撃の軸に成長し、天皇杯では途中出場だった堀米勇輝も「危機感を持ってトレーニングができているし、いい競争が生まれています」と指摘するように、チーム内にいい緊張感が生まれてきました。リーグ前半戦のディフェンスリーダー林堂眞もこの一戦でケガから復帰、約2カ月ぶりの公式戦に「いい緊張感が持てたし、それがいい方向に働きました」と実戦での手応えをつかみ、大西同様に水戸戦でも先発。そこでも完封という結果に貢献してくれました。
前線では西田剛もケガから復帰、川崎F戦で先発した渡辺亮太とリカルド ロボとの競争も楽しみで、愛媛にとっては本当に大きな意味があった天皇杯3回戦となりました。勝ったことで次は再びJ1と対戦することもできます。日程は厳しくなりますが「うれしい悲鳴。もっと欲を出して上に行くことができれば」と、石丸監督は愛媛にとって初対戦となる次の大宮戦(@NACK)でも再びジャイアントキリングを目指しています。そうなると、思い出されるのは2007年の第87回大会。浦和、横浜FCを撃破してベスト8に駒を進めたあの快進撃を再現できるか。9月10日(水)@NACKのラウンド16が楽しみです。
以上
2014.08.28 Reported by 近藤義博
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