魔の時間帯による失点――。肉体的にも精神的にもエンジンのかかりにくい、前後半の最初の数分の「危険」と言われる時間帯による失点が明暗を分けた。
20日の天皇杯3回戦でJ1首位の浦和に金星を挙げた群馬は、勢いそのままに試合に入ると思われたが、思わぬ副作用が出た。「精神的にも体力的にもタフな試合の後にありがちな試合」と秋葉忠宏監督が振り返ったように、浦和に勝った余韻を抜けず、緩んだ気持ちのまま「フワッと試合に入ってしまった」。
開始5分、8分に失点し、いきなり2点のビハインドを負う。引いた相手からゴールを奪うのは容易ではなかった。いつものようにボールは動き、高い位置に顔を出す両SBからクロスは上がるが、ゴール前を固める相手をこじ開けるには精度が足りなかった。小林竜樹が「ボールをつなぐのは楽だったが、相手から言わせれば(わざと)つながせたという感じだと思う」とコメントしたように、相手を上回る15本のシュートを打ちながらも、決定機は少なかった。
試合開始早々の2失点が最後まで足かせとなったが、自分たちのスタイルを貫け、課題も見つかった。順位を1つ落としたものの、自分たちの長所を信じて、焦らず戦っていけば勢いは続きそうだ。
一方、木島悠、林容平の電光石火のゴールで前半に2点リードした大分だが、直近の公式戦3試合で課題となった後半の立ち上がりに失点する悪癖が解消できずにいる。
それでもこの試合では、改善策を見出そうと様々なアプローチで変化を起こした。まずはハーフタイム。これまで『前半の修正』を選手に伝えていたが、『後半の戦い方』を明確にした。「しっかりブロックを作って、カウンターで仕留めることを考えなさい」と田坂和昭監督は、声の掛け方、言葉の使い方に変化をつけた。そして、タイプの異なるFWの林容平と左SHの木島悠のポジションを変えた。後半途中にはシステムも変更した。
結論から言えば、これらの動きは半分成果を挙げ、半分失敗に終わった。後半開始の入り方はすこぶる良かった。47分はカウンター、49分にはCKの流れから風間宏矢が決定機を迎えたが、GKとポストに阻まれた。「どこに問題があるのかはっきり分からないがが、メンタルの問題なのかなと思っている」と田坂監督。ビッグチャンスをフイにしたことで気落ちしたのか、52分にCKから失点し、1点差に追い込まれる。
ただ、これまでの流れであれば追い付かれるのも時間の問題であったが、食い止めた。システムを4−1−4−1に変更したことが有効策となったのかは判断しづらいが、全員が身体を張って、走り負けせず、群馬の猛攻を耐え凌ぎ、勝利を掴んだ。
「今日も後半の立ち上がりに失点したが、ポジティブに改善しようと前向きに捉えている。チャレンジ&カバーをしっかりすれば大丈夫だと思う」
試合後の高木和道の言葉に悲壮感はない。自分たちのストロングポイントの生かし方は、この試合の端々にも見えた。トライ&エラーを繰り返し、這い上がればいい。
以上
2014.08.25 Reported by 柚野真也
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