全くスタイルの違う試合運びを見せた両チーム。この試合に勝つための戦術を敷いた讃岐と、それを崩そうとする京都。一進一退の攻防は最後まで目が離せない戦いとなった。
讃岐は京都に対してしっかりと守りを固め、そこからカウンターを仕掛けるスタイル。試合前のトレーニングで北野誠監督は「今回は割りきって守る。勝つためにはこれしかない」と語ったように、相手がサイドから展開する時は最後までぴったりとマーク。そして中にしっかり人数をかけ、セカンドボールやルーズボールに相手より早く蹴りだし、序盤からボールを支配する時間は京都が長いものの決定的なチャンスは全く作らせず、讃岐にとって狙い通りの展開となる。
すると42分、自陣の右サイドで相手のバックパスのボールを西野泰正が奪うと、サイドラインに添うようなカタチで前線にやわらかいボールが送られ、それに木島良輔が素早く反応。一気にそこから加速し相手ディフェンダーをかわしてシュート。ボールは見事に左隅に決まり、理想的な展開で讃岐が先制点を奪う。
そして後半も序盤から讃岐が目指す攻撃を見せる。48分に左サイドで小澤雄希が相手ボールをカット。そして右サイドへ素早くロングボールを送ると、ここでも木島がボールを足元に収め、相手と1対1の場面を作る。木島は「最初はシュートをやめようと思ったけど、相手の上体が浮いて見えたので判断を変えた」と振り返り、角度の無い場所だったがそのシュートも見事左サイドネットに押し込み2−0とする。
これで点差は2点。会場にいた讃岐サポーターはもちろん、ピッチにいる選手もわずかながら勝ちを意識し勝点3に手が届きそうな位置に来た・・・が、ここから京都の反撃が始まる。
51分、ペナルティエリア付近にいた山瀬功治が、左サイドから膝ぐらいの高さのボールを入れると、そのままゴールに吸い込まれ2−1。さらにその6分後、ここも左サイドから今度はゴールラインギリギリのところから横谷繋が中にクロスを入れると、中にはフリーで待ち構えていた大黒将志。そのクロスに対し左足で落ち着いて合わせ、これで2−2の同点とした。大黒は「横谷が粘っていいクロスを入れてくれたので、あとは合わせるだけ。決まってよかったです」と語り、対する讃岐の沼田圭悟は「あそこは(体を)寄せないといけなかったので決められて悔しい」と、対応できなかったことを悔やんだ。
同点とした京都は息を吹き返し、前半にはあまり見られなかったサイドからのクロスや、ミドルシュートを放つ場面が多くなり、次々と讃岐ゴールに襲い掛かる。対する讃岐も、追いつかれたことで集中力が出てきたのか、時間と共に少しずつ足が止まるようになってきたが、今回のゲームの約束だった体の寄せを何とか続け、結局2−2の引き分けに終わった。
試合後の会見で川勝良一監督は「センターバックのスピードの無さと、1対1の対応能力に問題がある」と振り返り、1対1の場面で木島を止められなかったことを悔やみ、対する北野監督は「京都の攻撃に対してトレーニングをしてきたが、あの場面だけ失敗した」と、同点に追いつかれたシーンを振り返った。
そして両監督は会見で「勝ちゲームだった」とも語り、讃岐は2点のリードを守れず、京都は3点目を取ることができなかった。また、今日の試合で讃岐は木島。京都は山瀬に大黒と、共にベテランがしっかりと結果を残したが、若手の活躍には不満が残る。特にディフェンス陣に関しては課題をクリアする必要があるように思えた。
次節は8月31日(日)と、夏休み最後の日にゲームが行われる。次の試合までわずか1週間しかないが、今回見つかった“宿題”をクリアし、秋以降の戦いに繋げてもらいたい。
以上
2014.08.25 Reported by 小谷秀斗(オフィスひやあつ)
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