試合の始まる頃には、既に雨模様となっていた松本。しかしアルウィンには12,042人もの観客が詰め掛け、熱い声援を贈った。ここまでリーグ戦9戦負けなしの松本、対する山形も公式戦は4戦負けなしと好調。その両チームの勢いが、多くのファン・サポーターにスタジアムへと足を運ばせたとも言える。
開始のホイッスルが吹かれた直後からお互いに火花散る一戦となったが、序盤に関しては流れはホームチームにあった。ここ数日涼しかったことも奏功してコンディション調整は順調にいった様子で、松本の選手たちに疲労の色は見えなかった。また、左サイドの岩沼俊介が序盤から攻守に躍動し、山形の右サイドを押し込んで機能不全を起こした。札幌時代の恩師である石崎信弘監督に一回り成長した姿を見せた岩沼の勢いに触発され、松本が主導権を握ることに成功。ボールホルダーへのアグレッシブなチェイスで山形を封じ、攻撃ではセットプレーでゴールをうかがう。対する山形も先制点を得るべく前への推進力を高め、ようやく落ち着きを取り戻した。29分から2回続いた山形のビッグチャンスを松本守備陣が間一髪封じると、その後は両チームに好機が訪れる試合展開。ほぼ五分のまま、後半へと突入した。
エンドの替わった後半は、松本が相手エリア内へと攻め込む場面が増える。アタッカー陣はラインの裏へと執拗に飛び出し、両サイドからは精度の高いセンタリングが何度も上がる。しかし、山岸範宏の奮闘など山形守備陣の堅守もあってゴールをこじ開けることができない。お互いに選手交替のないまま、試合は残り15分を切る。先制点を得たチームがぐっと勝点3に近付く状況。クローズだった展開もオープンになり、お互いにゴールに迫る場面が増えたことは公式データ(後半のシュート数は、山形が10本で松本は12本)からもうかがえる。あと僅か、しかし届かない――。まさに手に汗握る好ゲームは、ついに最後までゴールネットが揺れることがなかった。
山形にとって痛かったのは、ここぞという場面であっけなくパスミスしてラインを割るなど攻撃の点が線へと繋がらなかったことだ。石崎監督が「攻撃のところではイージーなミスがあまりにも多すぎるんじゃないか」と総括するように、ディエゴなど一撃で仕留めることのできるアタッカーは多くとも、そこまで運ぶことができなくては得点は難しい。対する松本も確かに数的有利をつくり、相手ペナルティエリア内で多くの決定機を創造した。しかし結局は堅い山形ゴールをこじ開けることは叶わなかった。「今までの山形戦はいいパフォーマンスではなかったんですが、結果は0−0でしたが今日はやっと内容としては覆すことができたかなと思います」と反町康治監督が振り返るとおり、内容では山形を上回った。それだけに悔しさは募る。3連戦の3戦目という点を考えると実力の一端は示したが、同時に課題も覗かせた一戦だった。
以上
2014.08.25 Reported by 多岐太宿
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