54分、川崎Fジェシがイエローもらうハードタックルをお見舞いし、横浜FMラフィーニャが激しく転倒。怒ったラフィーニャはジェシに迫り、一触即発ムードに。すぐさま両チームの選手が2人をなだめようとピッチ中央で入り乱れる。この場面に象徴されるように、ダービーマッチらしいピリピリしたムードが漂う白熱した一戦だった。
ただ、それだけに11対11の攻防を最後まで見たかったのが、正直な気持ちだ。35分に登里享平が2枚目のイエローカードをもらい退場。しかも開始3分、1枚目のハンドの警告によるPKをラフィーニャに決められる。ビハインドを負った状態で川崎Fは、10人での戦いを強いられることに…。
それでも防戦一方になることはなかった。思わず「上手い」と声を出し感嘆してしまう中村憲剛の長短を織り交ぜたパスで攻撃を発動させ、レナトをはじめとする個の力で果敢に勝負に出る。
その相手に対し、横浜MFは中盤の選手の献身性で対抗。トップ下・中村俊輔は、相手ボランチへのパスの出所を止めようと奔走。時には体を投げ出すスライディングタックルで泥臭く守る。齋藤学、藤本淳吾の両サイドハーフも中へ絞り、相手のW司令塔の中村、大島僚太を徹底的に監視する。そのファーストディフェンスがあるおかげで、コンパクトな陣形を保つことができ、最終ラインと両ボランチが大久保嘉人、小林悠、レナトを前後から挟み込み、潰すシーンが散見された。
しかしながら、横浜FMは守備に労力を注いだためか、なかなか追加点が奪えなかった。さらに後半は、前半から猛然とプレスを掛けまくった小椋祥平の出足が鈍りはじめたこともあり、「圧倒的に攻められた時間帯も多かった」(中澤佑ニ)。63分には中村にロングスルーパスを通され、その先にいたレナトに際どい左45度からのシュートを狙われる。68分にもレナトは中澤の横パスをインターセプトし、再びミドルレンジから左足を振り抜く。ボールはクロスバーを直撃し、横浜FMは肝を冷やす。
この劣勢のチームを救ったヒーローは、追加点を奪った途中出場の兵藤慎剛だ。またその影武者となったのはボランチの中町公祐だろう。中町は70分を過ぎた頃から、勇猛果敢に前から圧力をかけ始める。73分には大島から力強く根こそぎボールを狩り、そこから中村を経由し、兵藤が反転シュート。そして76分に訪れたクライマックスのゴールシーンも中町から。正面の混戦からジェシに対し、粘り腰で競って潰れ、こぼれ球をラフィーニャが強引にシュート。DFに当たり、ルーズボールに反応した兵藤が、倒れ込みながら押し込む。これが決勝点となり、横浜FMはリーグ中断明け初の連勝を遂げ、一つ順位を上げて10位に。選手たちの表情も、ようやく明るくなってきた。
川崎Fは2位から4位に後退。とはいえ、首位・浦和との勝点差はわずか「2」。会見で風間八宏監督は「我々の選手たちは誇らしい選手たちだと思います。誇っていい敗戦だと思います。最後まで自分たちのスタイルをしっかりと貫いた」と胸を張った。リーグ戦3試合連続となる開始5分以内での失点は気がかりだが、進むべき方向にブレはない。
以上
2014.08.24 Reported by 小林智明(インサイド)
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