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【J1:第21節 神戸 vs 仙台】レポート:U-21日本代表・岩波拓也の決勝弾で、神戸が仙台からJ1初勝利。後半のシステム変更が功を奏した。(14.08.24)

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2011年のJ1リーグ第34節から4戦連敗と相性の悪い仙台から、神戸がついに白星を飾った。しかも、前半0−1からの逆転劇。順位も9位から6位に浮上し、リーグ制覇へのサバイバルレースに弾みを付けた。

神戸はこの日、ケガで欠場した5選手のうち、4人がサイドバックの選手という苦しい状況で迎えた。両翼に起用されたのはボランチの大屋翼(右)と橋本英郎(左)。高橋峻希や茂木弘人、奥井諒、相馬崇人のような爆発的なスピードこそ無いものの、攻守にわたって高いサッカーセンスを見せた。このゲームの陰の功労者と言ってもいいだろう。
一方の仙台は、ボールキープ力のある野沢拓也を2トップの一角に配し、できるだけ高い位置で攻撃の起点を作ろうと試みた。24分頃には梁勇基が左サイドをドリブルで持ち上がり、2列目から野沢が相手DF裏へ飛び出してパスを受けるなど狙い通りに崩すシーンも見られた。

前半のフィーメーションは、神戸が4−2−3−1、仙台が4−4−2。神戸の橋本が「(森岡)亮太が中央にいて、相手にうまくマークに付かれていたので、どっちか(左右どちらかのサイド)に流れた方がいいと言おうと思っていた」と振り返るように、仙台のボランチ角田誠と富田晋伍が森岡に仕事らしい仕事をさせなかった。一概にシステムの問題だけではないが、前半は仙台の守備が機能し、試合を優位に進めることになった。
実際、シュート数を比較すると前半の神戸は2本、仙台は9本。神戸はペドロジュニオールのドリブルシュートと森岡のミドルシュートのみで得点が入る気配すら感じられなかった。その中で仙台が野沢のコーナーキックを鎌田次郎がニアでフリック気味に合わせて先制に成功する。野沢は「仙台はセットプレーからの得点が一つの強み。前半は戦いが良くない中で、自分たちの我慢の戦いだなというのは分かっていました。なので、前半で1点を取れて終われたのはよかった」と振り返っている。シュート数では神戸を大きく上回っていた仙台だが、完全に崩しきれない中でのタフショットが多かっただけに、36分にセットプレーから1点を奪ったこと非常に大きかったと言える。

仙台の1点リードで迎えた後半。先に動いたのは神戸だった。前半に熱中症で倒れるシーンもあったセンターバックの河本裕之に代えて、U-21日本代表の岩波拓也を投入。フォーメーションも4−2−3−1から4−4−2に変更し、2トップにはマルキーニョスとペドロジュニオールを配した。このシステム変更が功を奏し、森岡が本来の輝きを取り戻すことになる。橋本の分析によると「中盤の選手のボールの受ける位置がサイドに広がったことで、亮太(森岡)のところに相手のボランチがプレスを掛け難くなり、前向きでパスを受けられるようになった」である。
52分の同点ゴールも森岡が前を向いてプレーできたことで生まれた。チョンウヨンから低い位置に下がってパスを受けた森岡は、前線のペドロジュニオールへ長いスルーパスを入れる。それをペドロジュニオールが反応し、冷静にGKの動きを見てゴール右隅へと流し込んだ。その後も枝村匠馬やシンプリシオらと流動的にポシジョンチェンジしながら森岡がチャンスメイクを続けた。
仙台も62分に野沢を下げてウィルソンを投入し、同点ゴールを奪いにかかる。だが、その出鼻をくじくように追加点を挙げたのは神戸だった。67分。チョンウヨンのコーナーキックを中央で岩波がヘディングで競り勝ち、ゴールネットを揺らす。岩波は「J2も合わせて、自分はホームで決めたことが無かったので、まずはホームで決められたのが良かった。今日は両親も試合を観に来ていたので、少しは恩返し出来たのかなと思います」と、この得点を喜んだ。ここ最近、スタメンから外れていた岩波にとっては貴重なゴールでもあった。
その後、1点を追う仙台は、72分にボランチの富田を下げて柳沢敦をピッチに送り込み、梁勇基をボランチに下げてパスの出しどころを作った。それに合わせてトップから左サイドハーフにポジションをチェンジした武藤雄樹が外から切り崩す場面も増えた。83分には最後のカードとしてハモンロペスを投入。神戸にカウンターを受けるリスクを背負いながらも、勝点3をどん欲に狙ったが得点が奪えず。ゲームはこのまま終了し、神戸が苦手な仙台から白星を挙げた。

そんな起死回生の逆転劇だったが、記者会見に現れた神戸の安達亮監督に笑顔はなかった。気を付けていたコーナーキックから失点したのが理由かも知れないし、3点目を奪うチャンスがありながら決められなかったからとも考えられる。あるいは、後半にシステムを変更したことに納得がいかないのかもしれない。
会見で、ある記者から後半にやり方を変えたことについて問われた安達監督は、ポーカーフェイスのまま「後半やり方を変えたというのは、皆さん見ていて分かっていたと思うので、その通りです。僕からはあえて言いません」と答えた。憶測の域を出ないが、今まで築いてきた神戸のスタイルを変えた点が悔しかったのかもしれない。
だが、枝村はこれに関して「今日のピッチコンディションとか、相手のフォーメーションとかを見た時にいい修正をしてもらって、後半はいいサッカーができた」と振り返っている。新しい選手が入り、ケガ人を抱える中で、新たなチームケミストリーを模索することは必要だろう。そういう意味で、今日の仙台戦はこれからの神戸にとっては意味深い1勝になったと言えるのではないだろうか。

以上

2014.08.24 Reported by 白井邦彦
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