2カ月ばかりで色褪せてしまうような記憶ではない。6月の第19節、ヤマハスタジアムで行なわれた磐田対湘南は、互いに譲らぬ白熱の一戦だった。今季のリーグ戦を見渡しても指折りのゲームだったといえるだろう。
「ベンチも含めて全員がひとつになって闘っているという感覚があった。誰ひとり気持ちで負けていなかったし、そういうゲームを自分たちで引き寄せることができた」そう振り返る岡田翔平のゴールで湘南が前半のうちに先制すると、磐田も後半間もなくフェルジナンドの強烈なミドルで追いつく。だが湘南が再びセットプレーを機に引き離し、最後まで攻めの姿勢を抱いて勝点3を手に入れた。
磐田は以降、連勝で前半戦を終えたが、折り返してからは2勝3敗1分と負け越している。失点がかさみ、順位も松本に抜かれて3位に後退した。松本との勝点差を詰めるためにも、また湘南に前回対戦の雪辱を果たす意味でも負けられない今節だ。週中の天皇杯3回戦・奈良戦でメンバーを調整したのも週末を見据えてのことだろう。
一方の湘南は後半戦に入ってから引き分けを続けたが、前節のアウェイ栃木戦で3−0とし、4試合ぶりに勝利を収めた。引き分けていたとはいえ内容は悪くなかった彼らは縦への推進力の目盛りをさらに上げ、シュートの意識も高めて相手ゴールに襲いかかった。その潔い戦いぶりは、勝負を決定づける3点目を挙げた遠藤航の言葉に端的だ。「ここ何試合か点が取れていなかったのは最後の思い切りのよさにあったと思う。今週ひとつテーマにしていたゴール前の崩しも悪くなかったと思いますし、こういう試合を続けていきたい」。先制し、引き離して、ダメを押した攻撃的な展開にらしさが浮かんだ。
週中に行なわれた天皇杯3回戦では大宮に1−2と逆転負けを喫した。チャンスを決め切るズラタンの得点力はさすがだが、チームは自分たちに矢印を向けることを忘れていない。「隙を与えたわけではないが、簡単にクロスを上げさせてしまったところなど、勉強して今後のリーグ戦に活かさなければいけない」曹貴裁監督は語っている。相手に与えたチャンスは試合を通して少なかったが、決定力を封じるには、最後の局面に至らせないためのよりシビアな姿勢がチームとして求められよう。
今節に目を移すと、湘南はここまで27試合で総失点11と抜きん出ているが、そのなかでクロスからの失点率は高い。逆に磐田はクロスを武器のひとつにしているため、サイドの攻防を含めポイントのひとつとなろう。また磐田は3バックで臨むとも伝えられている。ミラーゲームに各局面は激しさを増し、なにより前回の対戦にも明らかなように、球際や走力といったサッカーの根源が勝負を分けるに違いない。
岡田は言う。「難しい試合になるとは思います。でも毎試合同じですが、自分たちのサッカーを信じて最後までやり切ることが大事」。ボランチの岩尾憲もこんなふうに語る。「相手が磐田といっても、自分のプレーができるか、自分たちのサッカーができるか、結局は自分たち自身と闘っている。ホームですし、後悔しないプレーをして勝ちたい」。
やるべきは変わらない。2か月前の、1週間前の、あるいは昨日の自分たちを超えていく。
以上
2014.08.23 Reported by 隈元大吾
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