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【J2:第28節 北九州 vs 長崎】プレビュー:ジャイキリ勢の注目対決。勝つのは覇者下した北九州か、劇的逆転勝ちの長崎か。バトQ暫定トップも目指し、中3日の熱戦に挑む。(14.08.24)

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九州内のチーム同士の対決に名付けられた「バトル・オブ・九州」。北九州は躍進を遂げた2011年と翌12年シーズンで覇者となった。今年も福岡にアウェイで白星を掴むなど好調で、2年ぶりの戴冠のチャンスが巡ってきている。リーグ自体の順位キープも含め、難しい相手のひとつ、長崎から勝点3を手にしたい。

北九州の対九州チームの今季戦績は、福岡に1勝、大分に1分1敗、長崎と熊本にはそれぞれ1つの引き分けで、勝点6。その他のチームの勝点をみていくと、福岡が「1」、大分が「9」、長崎が「7」、熊本が「6」となっており、リーグ同様に大混戦の様相を呈している。今回のカードでは勝者が暫定1位となる可能性があり、今後の盛り上がりや上昇へのきっかけを掴むという意味においても重要な一戦となりそうだ。

そして何より両チームに高いモチベーションを与えているのが天皇杯での「ジャイアントキリング」だろう。今週水曜日の天皇杯3回戦ではともに延長戦の末、J1勢を下した。長崎は新潟と対戦。先制を許すも試合終了間際に古部健太の同点弾で追いつき、延長戦では高杉亮太のゴールで突き放した。そして北九州は前回覇者の横浜FMから逆転勝ち。すでに試合レポートも公開されており、担当の小林さんの筆致のとおり今季の北九州らしさと渡大生の推進力が光った"してやったりの勝利"だった。

この勝利がニッパ球だったことも感慨深いものがある。J2昇格初年度の2010年、あの苦しんだシーズンの開幕戦が雨のニッパ球だったからだ。
当時、選手がまとっていたのは合同スポンサーというかたちで胸に「Kitakyushu」の文字が入ったユニフォーム。現在のような単独胸スポンサーではなく苦しい台所事情が透けて見えていた。選手層にも不安を抱えたままの船出で、開幕戦も攻めのラインコントロールは見せたがミスが重なって0−2で敗戦。対戦相手の横浜FCとはいくつもの「差」を感じた試合だった。それでも北九州の確かな第一歩をニッパ球に刻んだのは歴然たる事実。そして4年半後の真夏の宵、成長を遂げるチームは天皇杯で初めてのベスト16へと駒を進めた。
選手たちが気負うところはほとんどないと思うが、この勝利はギラヴァンツ史にしっかりと書き記すべき第二歩目。ニッパ球をジャンプ台に、もっと強くなれるという思いを新たにしたサポーターも多いと思う。単なるジャイアントキリングに留まらぬ高揚感を持ってリーグ戦のさらなる高みへ、そして今節のバトル・オブ・九州へと突き進みたい。

さて、試合のほうだが、120分の戦いを間に挟んだ連戦というのは少なからぬ影響を与えるだろう。幸いにも今節に向けた移動は九州内で完結するが、水曜日のナイトゲームはそれぞれ遠方で戦ったのちに帰郷。リカバリーに時間を割くことである程度はコンディションを戻せるものの、スカウティングやシミュレーションに割ける時間は少なくなってしまう。ともに大幅に選手を入れ替えることができるほど選手層も万全というわけではない。交代カードを早めに切ったり、余裕をもったリトリートをしたりと、ゲームのマネジメントはいつもよりも悩ましいものとなる。

北九州としては先制逃げ切りを目指したいところ。前節の岡山戦と天皇杯3回戦・横浜FM戦ではいずれも早い時間に先制。その後の得点の応酬はあったが最終的にはしっかりと守り抜くという北九州らしいゲームプランが勝ちにつながった。疲労は否めなくとも今節でも先制して堅いディフェンスを構築するというプランをはめきれば勝機はありそう。
守るということに限って言えば横浜FMの30本のシュートを跳ね返したことも自信になっている。「もうちょっとアプローチに行かなくてはいけないところもあるし、自由にやらせてしまっている部分は確かにあった」と前田和哉は話したが、確かな手応えもある。またレギュラーメンバーの中では右サイドバックの星原健太が水曜日のゲームを出場停止のため欠場していた。1週間の充電期間があっただけにフレッシュな星原の上下動を先制点への起点として、そして守備の取っかかりとして活かしていきたい。

対する長崎はリーグ戦では2試合続けてのバトル・オブ・九州となる。前節の福岡戦では背後に佐藤洸一が抜け出したり、クロスから2列目に飛び込んだ選手が合わせるなど、攻撃は厚く枠を捉えたシュートは多かった。シンプルながらも個のアイデアを加味したいくつもの攻撃オプションがあり、福岡の守備陣を翻弄する場面も目立った。ただ結果はスコアレスドロー。今節に限ったことではないが、北九州の分厚いブロックやセンターバックの献身的な守備を崩すには、アイデアに加えて、パスや判断の一つ一つの精度が求められる。疲労の残る中でどれほどピンポイントにボールを供給することができるか、長崎が得点を重ねるカギはそこにありそうだ。

天皇杯後、北九州の選手たちは「北九州という名前を全国にもっと知ってもらえるチャンス」(風間宏希)、「北九州のいい印象を与えられたのかなと思う」(冨士祐樹)と振り返った。前年覇者を倒したという結果ゆえにリーグ戦においても北九州というチームや在籍する選手たちが注目を浴びる可能性は高い。もちろんそれは長崎も同じで、大きな関心を寄せられながら戦うことはチームを伸ばしたり、サポーターを増やしたりする原動力にもなりうる。ジャイキリ後の一戦こそ大切だ。J1勢を下した自信と脚光を、成長のエネルギーへ。未来のために今まさにやらなければいけない熱いゲームがまもなく始まろうとしている。

以上

2014.08.23 Reported by 上田真之介
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