各地で波乱が起こる中、F東京はホーム味スタで松本と対戦し、2−0で天皇杯16強入りを決めた。普段どおりの戦いを貫いた青赤は好機を見逃さず。41分に河野広貴が先制点を挙げ、途中出場の平山相太が54分に追加点を決めた。これで公式戦6試合連続の無失点完封。週末のJ1リーグ首位の浦和との一戦に向け、弾みをつける一勝を手にした。
試合後、松本の反町康治監督は悔しさを滲ませた。「最後は珍しく諦めたようなところがありました。というか精一杯だったのかもしれない。そういう姿、あまり見たことないですよ。今日久々に観に来た皆さんは『あれ、おかしいな』と思うかもしれない。本当はこういう姿じゃないんですが、もうちょっと攻守に最後までやりきるような力を出してもらいたかった」。特に、後半は本来の戦い方ができず。自陣に下がってしまい、最後はそこからカウンターに出て行く足もなくなってしまった。
ただし、序盤はF東京MF河野が「五分だった」と振り返るとおり、両クラブの優劣はそれほどハッキリとはしていなかった。反町監督も「前半はF東京の弱いところも上手く突けてボールも受け、ゴールに向かっていて締められた時は外へということもできていた。ただ最後のところでどうだったかというと乏しい感じがしましたけどね。そこで点を取れないと我々としては厳しい展開になるでしょう」と言う。
事実、松本は前半39分、数本のパスをつないでF東京のプレスを外すと、好機をつくった。反町監督のコメントどおり、この場面ではアンカー脇に起点をつくり、そこから右サイドへと展開してクロスをゴール前に送った。大外から走り込んだ飯尾竜太朗のシュートは外れたが、意図した攻撃でF東京を崩したのだ。
だが、F東京はその2分後、先制ゴールを決めた。この日、前半だけで3本のシュートを放った米本拓司は「ミドルを打っていこうと考えていた」という。そして、得点の場面でも積極的にシュートを放つと、それが相手DFに当たってクロスバーをたたいた。こぼれ球に反応したエドゥーが中央へと折り返し、走り込んだ河野がゴールへと押し込んだ。
この先制点を機に、試合の趨勢が傾いたと言えるだろう。反町監督も「今日は相手をリスペクトし過ぎたのか。『はい、胸でコントロールしてください』という感じで、結局自分たちで体力を消耗したのかもしれないですね。もう一度しっかりと見直さないと」と、首を傾げる。松本は徐々にボールを奪う位置が下がり、自陣に引きこもるようになってしまう。
すると、F東京は54分、連係でゴール前を崩すと、左サイドから太田宏介がグラウンダーのクロスを送り、平山が右足で合わせてリードを広げた。
この日の味スタには、波乱が起こる要素など転がっていなかった。効率的にリードを奪ったF東京が松本を寄せ付けず、順当に16強進出を決めた。湿度82%の蒸し風呂状態の中でも、局面では体を張って松本の攻撃を防ぎ、ボールを保持する時間もしっかりと確保するなど、危なげない展開をつくりあげた。痛快なアップセットが起こる条件を排除したF東京は、週末の首位撃破に視線を移す。東京の勢いはまだまだ止まりそうもない。
以上
2014.08.21 Reported by 馬場康平
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