この日、各地でジャイアントキリングが発生したが、横浜でも波乱が起きた。
打てども打てども入らない。横浜FMの総シュート数は30本、北九州は9本。その数字が示す通り、横浜FMが敵陣へ押し込み続けた。しかしながら、結果論にはなるが、ジャイアントキリングが起こり得る雰囲気は、序盤からうっすら漂っていたように思う。
試合開始時からDF4枚、MF4枚の2列のラインを描き、守備ブロックを敷いた北九州。とはいえ、ただ守り続けていたら、いつかは力尽き、前回王者の餌食になっていたはず。だが、北九州は相手を仕留めるカウンターという懐刀を持っていた。それを最初に振り抜いたのは8分。風間宏希が縦パスを送り、池元友樹が反応。裏に抜けかけたが、栗原勇蔵が後ろから足を伸ばし、間一髪クリアした。これでCKを得て、渡邉将基が頭で叩き込んだ。横浜FMとしては渡邉をフリーにしたことも悔やまれるが、その前に司令塔・風間に前を向く“自由”を与えてしまったのが、失点の遠因ではないか。しかも結局、2点目、3点目も風間がここぞの場面で抜き刺した懐刀にやられてしまうとは…。
先制された横浜FMだが、逆転に成功。J1クラブの速くテクニカルなパス回しに、前半の北九州は揺さぶられる。2得点とも藤田祥史が起点となる。
12分は藤田が素早く左へ展開し、フリーの下平匠が余裕をもって低空クロスを供給し、走り込んだ藤本淳吾が左足でプッシュ。45+2分はファビオの縦パスを藤田が丁寧に落とし、再び藤本が走り込んで左足一閃。ボレーシュートを鮮やかに突き刺す。また17分にも富澤清太郎がミドルをクロスバーに当てる決定機があった。
後半の頭から横浜FMは、一昨年に北九州に期限付き移籍した端戸仁を投入。ニッパ球のボルテージは最高潮に達し、立ち上がりから北九州ゴールを攻め立てる。だが55分を過ぎたあたりからか、次第に膠着状態へ陥る。それは北九州の割り切って守りから入る普段通りのスタイルがハマり、「慣れているといえば慣れている形」(冨士祐樹)に持ち込めたのが大きい。また、逆に横浜FMは、攻撃のラスト3分の1のところで密集する相手DFをどうしても引き剥がすことができなかった。
すると、前掛かりになった隙を突かれてしまう。85分、途中出場の大島秀夫の素早いスローインが風間へ。右サイドで風間は再びマーカーのいない“自由”を得て、素早くクロスを送り、最後は逆サイドから張り込んだ内藤洋平が沈め、同点にした。
延長戦。ここでも横浜FMが攻め立て11本のシュートを浴びせたが、どれも空砲に。逆に最後まで集中力を切らさず体を張った北九州の分厚く“熱い”守備は称賛に値する。
また攻撃では後半途中出場の渡大生が独力で活路を見出す。速攻から快足を飛ばし、対峙したファビオらのDFを慌てさせた。そして120+1分にカウンターが炸裂。風間の縦パスで渡が裏へ飛び出し、右足を振り抜きゴールゲット! これが延長戦での北九州唯一のシュートだった。まさにしてやったりの勝利だったと言えるだろう。
以上
2014.08.21 Reported by 小林智明(インサイド)
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