横浜FCは、第27節・讃岐戦を終えてリーグ戦10試合負けなし、後半戦の6試合で5勝1分と、まさに猛追モードに入ってきました。もちろん監督、選手が常に口にするように前半戦に負けが多すぎたこともあり、まだまだこれから勝利を積み重ねないといけません。
その躍進を、強固な守備と展開の起点として支えるのが松下裕樹選手。横浜FC加入1年目の昨季はチームにフィットしていなかった面もありますが、今季は違います。まずは、ゲームの最後まで落ちない運動量で相手の守備を遮断し続けます。この運動量が半端ないのです。ちょうど、寺田紳一選手にお話を聞いていたときに松下裕樹選手が偶然通りかかったことがあり、その際に寺田選手は次のように語ってくれました。
「横浜FCが最後まで足が止まらないのは、うちは全体的におじいちゃん(笑)が多いけど、こんなおじいちゃん(松下裕樹)とかヨンハ(安英学)さんが最後まで走っていたら、こっちも走らないといけない。上の人がやってくれているので、下の人がそれを見ていると思う」
まずは運動量という点で、チームに大きな影響を与えています。さらに守備、そしてチーム全体にも、松下裕樹選手のプレーは大きな影響を与えています。その活躍を、センターバックという立場から見ている野上結貴選手はこう語ります。
「去年はみんながマツさん(松下裕樹)に任せきりだったんじゃないかと思います。今は気づいて、マツさんの脇をチン君(寺田紳一)とかワンちゃん(松下年宏)が埋めようとしているし、サイドハーフの選手も絞って中を埋めようとしている。それでパスコースが限定され、マツさんも狙いやすいというのはあると思います。
でも、チームのみんなはマツさんには頭が上がりません、あの運動量は…。球際で負けないし、一番危険なところに戻ってくるし。1人で全部やっているんじゃないですか。アルゼンチンのマスチェラーノ的な感じ。顔はデヨングですが」
ここで、FIFAワールドカップで大活躍したマスチェラーノの名前が出ましたが、実はサポーターの間でも「マツチェラーノ」という新たなニックネームがささやかれ始めたところ。これを本人にぶつけてみると、
「見た目からチームのみんなにデヨングって言われるんですが、ワールドカップを見るとマスチェラーノのほうがいいじゃないですか。だから『マツチェラーノ』って言われるほうが気分がいいですね(笑)。でも、まだ全然そんなレベルに達していませんから、チームのためにもっと頑張ります」
と、まんざらでもない様子。
「横浜のマツチェラーノ」、これからも注目です。
以上
2014.08.21 Reported by 松尾真一郎
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