Ｊ２入り初年度の２００８年に加入したＤＦ車智鎬（チャ ジホ）さんのスタジアムグルメ店舗への復帰、選手の負傷を受けての加藤竜二ＧＫコーチの１試合限定の現役復帰など、今年は「復帰」にまつわる話題が目につく熊本（詳しくはこれまでの「Ｊ２日記」をご覧ください）。先週16日（土）に行われた平成26年度国民体育大会　第34回九州ブロック秋季大会でも、昨季限りで引退した筑城和人さん（現・強化スタッフ）が熊本県成年チームのキャプテンとして現役「復帰」しました。

今年からプロ選手の出場が可能になり、熊本県成年チームには、筑城さんのほかにトップチームから５人、さらにユースからも５人選出。その中にはＪＦＬ・レノファ山口への期限付き移籍が発表されていたＭＦ山崎侑輝選手、ＤＦ藤本大選手が含まれていたこともあり、約10カ月ぶりとなる筑城さん、そして一旦熊本を離れる山崎選手と藤本選手のプレーを見ようと、応援に訪れたサポーターも少なくなかった様子。

結果は残念ながら１−２で沖縄県チームに敗れ、長崎で行われる国体への出場権は逃してしまいました。

「……。久しぶりの真剣勝負で楽しさを思い出しました、って言いたいところですけど、負けたらダメでしょ…。出るからには今までのブランクは関係ないし、たくさんのプレーヤーがいる中で熊本県の代表としてプレーさせてもらったのに、結果を出せずに申し訳ない思いでいっぱいです。合同で練習できる時間が少ないことは初めからわかっていたし、言い訳できないですよね。小野さん（小野剛監督）にも練習に参加させてもらっていたのに」
左サイドバックとして70分フル出場した筑城さんはそう言葉を絞り出しましたが、現役時代に見せていたファイターぶりは健在。ただ、チームとしての連携は沖縄県チームに比べるとやはり未熟なところがあったようで、ＤＦラインから相手の背後のスペースへ落としたいのに前の動き出しが合わない、といった場面が試合を通して何度か見受けられたのは残念でした。

右サイドバックとして先発した山崎選手は、同点ゴールにつながるクロスを供給。しかし「守備から入ることを意識していたし、中盤から前がかなり出て行ったので、自分は出過ぎないほうがいいかと。持ち味をうまく出せなかったなと思います。残念ですけど、気持ちを切り替えて新しいチーム（山口）で自分を出したい」と話しました。
藤本選手もセンターバックとして先発フル出場。リードされた終盤にはチームとしてパワープレーに出て、得意のヘディングで合わせる場面もありましたが、追いつくことはできませんでした。
山崎選手、藤本選手は山口でチームを引っ張る役割が期待されますが、筑城さんの復帰は結果としてこの１試合で閉幕。週明けからは早速、県外の大会へ視察に行く予定が入っているらしく、「本業で頑張ります」と話していた。来年の国体がどうなるかはまだわかりませんが、機会があればまたぜひ、元気にプレーする様子を見せてほしいと思います。

以上

2014.08.19 Reported by 井芹貴志