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【J1:第20節 鳥栖 vs F東京】レポート:少しずつではあるが変化を見せた鳥栖。しかし、連敗で3位に後退。スタイルを最後まで出し続けたF東京。5戦連続完封で5位浮上。(14.08.17)

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「強いから勝つのではなく、勝った方が強い」
1970年代に西ドイツ(現ドイツ)黄金時代を築いたフランツ・ベッケンバウアーの言葉である。結果が全てと言われるスポーツの世界を言い表している言葉であり、まぎれもない事実である。しかし、この時に発した背景を知らねば真の意味を理解することはできない。前評判では不利を伝えられていた西ドイツ。その試合に勝ったからこそ言える言葉でもある。
順位が上だから・・・。
相性がいいから・・・。
歴史があるからやビッグクラブだから・・・。
これらがすべて、“強い”という理由には当てはまらない。
第20節の鳥栖対F東京戦は、上位の鳥栖が敗れ下位のF東京が勝利した試合で、この試合の“結果”においてはF東京を称賛しないといけない試合である。しかしながら、敗れた鳥栖にも光明が見えた試合だった。当レポートは、鳥栖担当が執筆している関係で、多少なりとも鳥栖寄りになることをお許しいただきたい。

「次につながる敗戦だと考えています」
敗戦の将となった吉田恵監督の試合後の総括である。0-2での敗戦。しかも、第10節広島戦(ベストアメニティスタジアム)以来の複数失点である。それでも、指揮を執って2戦目の指揮官は手ごたえを感じていた。「持ち味であるサイドからのクロスと攻撃のところで・・・」と吉田監督は攻撃部分を補足した。確かに、ボールを回す位置や回数などは前節の広島戦よりも改善されていた。しかし、吉田監督の真意はその物量的なところではなく、55分のMF岡本知剛の投入後の戦い方を指しているように感じる。それまでも、MF金民友や水沼宏太が相手のスペースを突いてボールを運びF東京のサイドをたびたび崩していた。しかし、強固なF東京の守備を崩し切るところまでには至っていなかった。

そこでの岡本知剛の投入である。これまでは、リードしている時の3ボランチはあったが、リードされている中でのアンカー的なポジションに岡本知剛を配置して中盤からのボールの供給拠点を増やした。左にMF藤田直之、右にはMF高橋義希とボールを出せる選手を配置し、両サイドDFも加わってサイドからの攻撃にパワーを増す作戦だった。続けて、66分によりサイドで起点を作るためにMF早坂良太を入れて、“タメ”を作って中央に飛び込む選手に時間を与えた。最後は、74分に高さとシュート力を持つMF谷口博之を入れてフィニッシュのパワーを増した。同じサイドを使うにしても、ドリブル突破型から長短のパスで崩す形に変えて、選手たちはそれに答えたのである。得点までは至らなかったが、得意とするサイド攻撃に新たなオプションを付け加えることができたことが「次につながる」と吉田恵監督は感じたのだろう。
次節の大宮戦(第21節@NACK)までの間に天皇杯3回戦(8/20(水)対大分@ベアスタ)がある。日程は詰まってはいるが、チームとして一丸となるチャンスでもある。妙薬は勝利である。

F東京は、最後まで自分たちのスタイルを貫き通したサッカーを見せてくれた。リードしているにもかかわらず、MF三田啓貴(72分)、MF石川直宏(77分)、FW河野広貴(88分)とスピードを持った前線の選手を投入してきた。「前の3人のFWでアグレッシブに行って、プレスをかけることで簡単に後ろからボールを回されないようにプレッシングすることを狙って・・・」(マッシモ フィッカデンティ監督/F東京)最後までその意図を通した。
点差や時間帯を考えて引いたりDFの人数を増やしたりするのではなく、前線から相手のボールを追うスタイルは世界でも見られるスタイルである。最後まで落ちない運動量と意識の理由を関係者に聞いたところ、「それをやらなければ試合に出られないから」といとも簡単に返された。監督のサッカースタイルが選手たちに浸透しているのだろう。9戦負けなし、5戦連続完封・・・。
5位となった快進撃の理由は説明を受けなくても、この試合でのF東京の戦い方を観ていれば伝わってくる。「強いから勝つのではなく、勝った方が強い」だけでなく、『勝つだけの理由がそこにはある』のである。

システム上の優劣やチーム同士の相性は、時にしてサッカーを語る大事な要素である。ただ、それだけで勝敗が決まるものではないのがスポーツの面白いところ。一瞬のひらめきや運も勝敗をつかさどる要素である。相手のプレッシャーを受けながらプレーをし続けるサッカー。当然のごとく、そこにはミスもスーパープレーも同居する。サッカーは、瞬時の判断で勝敗が決するスポーツでもある。

以上

2014.08.17 Reported by サカクラゲン
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