4位岡山と5位北九州が対戦する。北九州は勝てば4位浮上、岡山も勝点3を積み上げることで3位磐田に並ぶ可能性がある。北九州と岡山はともに下部リーグ時代から「昇格」を競ってきた良きライバル。クラブライセンスのため北九州のJ1昇格はないものの、それを狙える順位で両チームが競えることは、サポーターにとっては感慨深く、また、応援のモチベーションにも繋がるだろう。
岡山はリーグ戦18試合負けなしで、戦績表は白丸か三角の記号だけが並ぶ。北九州・風間宏希は岡山を「負けなしできていて自信を持ってサッカーをしている」と表現するが、実際に岡山の組織されたサッカーが崩れずに継続されている背景には、間違いなく選手個々人の自分たちのサッカーに対する「自信」があるだろう。細かく見ていけば下位チームに対して勝てずに引き分けで終わる試合があったり、チャンスを逃して楽に運べた試合を難しくしたりといったことはある。しかし、7月20日の第22節福岡戦は一度は逆転されるも再逆転して白星を掴み、8月3日の第25節東京V戦も前半終了間際に先制点を献上しながら後半でひっくり返した。勝利への絶対的な自信、そして中盤の要として上田康太と千明聖典のコンビが生み出す堅実なサッカーが結果を呼び込んでいる。今節は千明が出場停止ではあるものの、積み上げてきた軸がある。代わって入る選手も十分な戦術理解のもと、役割を果たすことができるだろう。
その絶好調チームの19試合前。4月20日の第8節、Kankoスタジアムで0−3のスコアで黒星を付けた相手が北九州だ。その試合も岡山のリズムが悪かったわけではなく、ペナルティエリア内に持ち込む場面も多かった。ただ決定的な場面で決めきれない時間が続くと、前半終了間際に池元友樹が風間とのコンビネーションから先制。後半立ち上がりには右からのフリーキックに原一樹が頭で合わせて突き放し、試合の流れが北九州に傾いた。それから4ヶ月がたった今だからこそ『教訓になった試合』と言えるのかもしれないが、とはいえ、同じ相手に19戦ぶりの黒星を付けられるわけにもいかないというのが本音だろう。そうしたことからも、北九州の選手たちは口を揃え「岡山は高いモチベーションで来るはずだ」と表情を引き締めている。
もちろん北九州も勝てばひとつ順位を上げられるだけにモチベーションは高い。練習中の紅白戦でも前回対戦を彷彿とさせるような鋭いくさびと前線の強烈なシュートが見られ、負けられないという思いが少なからず漂っていた。とはいえ、前回と同じ戦い方で白星を掴み取れるとは限らない。「岡山はスムーズに連動しているという感じなので、自分たちが(ボールを)持つ時間を増やしたい」と話したのは冨士祐樹。守備に回ることも多いが冨士が高い位置でボールポゼッションに絡めれば必然的に厚みのある攻撃になる。風間も前回対戦で見せたようなカウンターが第一の選択肢だとは話しながらも、「ボールを回すこともやらないといけないし、回して決めるには崩そうという意図でやっていかないと崩せない」と話した。戦術的なリトリートと、攻めるべきタイミングでの分厚い攻撃。その歯車が噛み合ったとき、北九州は岡山に再び土を付けることも可能になるだろう。
北九州にとってのもうひとつのモチベーションはミッドウィークの天皇杯だ。対戦相手はJ1・横浜FM。2年前の北九州で『再』開花し、渡大生からは「天才」と評されている端戸仁を擁す強敵だ。この対戦に向けて「(岡山戦に)勝っていい流れでJ1の強い相手に向かいたい」とは池元。また、「近い順位の相手と対戦できることはチームが上に行くためにもいい経験になる」とも話す。今節は競った相手と必勝を期して戦う。その緊張感やプレッシャーの中で戦い抜くことは確かにチームの成長に繋がるだろう。池元自身、岡山との前回対戦でも2ゴールを挙げており、厳しいマークに遭うことは避けられない。それでもチームを思い、熱いハートをたぎらせて3連戦に臨んでいく。
文字にすれば簡単だし、軽いような感じがするが、文字通り、意地やプライドがぶつかる試合。岡山にとっては雪辱戦、北九州には成長のための大一番だ。試合終了後に打ち上がる予定の600発の花火を、そのとき僕らはどんな思いで見上げているのだろう。ワクワクしたり、ドキドキしたり、そういう試合終了までの機微も楽しみに、本城に足を運びたい。
以上
2014.08.16 Reported by 上田真之介
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第27節 北九州 vs 岡山】プレビュー:4位岡山と5位北九州の直接対決。逆転勝ちの相次ぐ最後まで諦めないチーム同士が、熱いゲームを見せつける。(14.08.17)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- bluelock2024
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off