リーグ前半戦を7位で終えた栃木。低い下馬評を覆す躍進の立役者だった、FW瀬沼優司とMFドゥドゥ(主にセンターバックで出場)が清水と柏に移籍したことで、新たに新潟からMF本間勲、湘南からMF荒堀謙次、富山からFW西川優大の期限付き移籍での加入が発表され、15日の練習後に記者会見が催された。
瀬沼、ドゥドゥに加え、FW久木野聡の流出の経緯と、今回の補強のポイントに関して湯田一弘強化・育成部長兼アカデミーダイレクターが概要を説明。また、5連敗中と向かい風に晒されている中、それを追い風に変えられるような役割が期待される新加入選手3人が意気込みなどを語った。出席者のコメントは以下の通り。
●湯田一弘強化・育成部長兼アカデミーダイレクター:
「みなさん、こんにちは。お暑い中、お集まりいただきありがとうございます。今回の移籍の経緯を説明させていただきます。
まず7月の下旬に久木野(聡)選手に町田からオファーが来まして、久木野選手は出場機会がなく、『ぜひ新たな場所でチャレンジしたい』ということがありました。それがそもそも今回の移籍の流れの発端でした。それから8月の頭ですかね、ドゥドゥ選手は元々ブラジルのチームに保有権があるのですが、レイソルもブラジル人選手、韓国人選手が出ていった経緯があり、『ぜひドゥドゥ選手を(獲得したい)』という話しがありました。我々のチームとしては重要な選手なので、社長も含めて会社の中で話しをしましたが、最終的には止むなしと。最後に瀬沼選手ですが、8月10日くらいにエスパルスの方から『9月にFWが足りなくなるので、大榎(克己)新監督が是非とも戻してくれと言っている』という話がありました。
重要なフォワード、センターバックが抜ける中で、優先順位はセンターバックに置きました。我々はそこを中心に選手を探しましたが、なかなかこの時期はJ1を含めてセンターバックがいませんでした。そこで、チームの中心になれる経験豊富な選手に、例えば本間選手はMr.新潟と言われていますが、その前には我々のような(練習場を転々とする)ジプシー経験を体験しています。いぶし銀のようなプレーヤーというか、苦しいときにチームのために働いてくれるプレーヤーがなかなかいない中で方向転換しようと。チームの成績も下降気味だったので、経験豊富なベテラン選手を獲得しよう、ということになりました。
今度は瀬沼選手(の代わり)となったときに、いろいろなFWの選手をあたりました。西川選手は瀬沼選手と同じ筑波大ですが、(最終ラインの背後に)斜めに抜けるのではなく、足元の技術がしっかりしている(タイプ)。前チームの富山の安間(貴義)監督に鍛えられ、特に攻守の切り替えができる選手なので、“阪倉サッカー”に、カウンターサッカーに合うと。すぐに(ボールを)取られれば、切り替えて守備ができるので、西川選手を獲得しました。
荒堀選手は元々、このチームの選手でした。2年前ですかね。我々が大きくリスペクトしている、湘南のカウンターのサッカーをしながら、攻守のアップダウンをしながら、スピードもあるし、技術もあるので“阪倉サッカー”の中で生きると。例えば、サイドバックの赤井(秀行)選手が右をやっているけど、中(センターバック)もできると。今日の練習を見てもらえば分かるように、センターバックは4人います。ドゥドゥ選手が抜けましたが、そこでサイドバックもサイドハーフもできる、3バックの右もできる荒堀選手を獲得しました。
経験豊富な本間選手のようなタイプ、阪倉サッカーが目指す荒堀選手のようなサイドの選手、そしてボールが収まる西川選手。苦しい編成の中で、選手が抜かれる中で、それは我々の宿命かもしれませんが、守ってばかりでなく打って出られるように、バラエティに富んだこの3人の選手を獲得しました。もう一度、新たなチャレンジを、監督を中心にやろうというのが、今回の移籍の概略というか経緯です」
●本間勲選手:
「はじめまして。新潟から来ました本間勲です。僕自身、今年、新潟で苦しい状況の中、栃木から声を掛けていただき、本当に嬉しく思いました。『このチャンスを逃したくない』と思い、移籍を決めました。今、チームとしては苦しい状況かもしれませんが、チームの力になり、この状況を早く脱することができるように頑張ります。応援よろしくお願いいたします」
●荒堀謙次選手:
「はじめまして。湘南から来ました荒堀謙次です。2年前にいたチームからまた誘われたので、責任と感謝の気持ちを持ち、早くチームの力になって勝ちたいです。よろしくお願いします」
●西川優大選手:
「はじめまして。富山から来ました西川優大です。富山が苦しい中で、栃木から話しをいただいて、自分でも成長するために決断した移籍なので、ここでしっかり結果を出せるように頑張るので、応援よろしくお願いいたします」
(質疑応答)
Q:本間選手は新潟で奇跡の残留など、いろいろと苦しい経験をしてきていますが、苦境を脱するのに必要な要素はなんだと思われますか?
「新潟も苦しい状況がありましたが、その中でもみんなが普段の練習をしっかりやっていました。結果が出ない中でも下を向かずに、やるべきことを確認し合いながらプレーしていました。まだ栃木に来て3日しかプレーしていませんが、チームとしてぶれている感じやバラバラになっている感じは受けないので、まとまっている良いチームだと思うので、これを続けることが一番大事だなと思っています」
Q:引き続き本間選手に伺いたいのですが、高校卒業後から新潟でプレーされていて、今回の移籍の決断は難しかったと思います。今回の移籍に至るまでの心境を教えてください。
「新潟で約15年間お世話になったので簡単ではなかったですけど、サッカー選手として何をするのが一番良いのかを考えて、一番良いのはピッチでプレーすることだと思ったので、今回の移籍を決断しました」
Q:3選手に伺いたいのですが、栃木の印象とご自身の持ち味を教えてください。
●本間勲選手:
「全員がハードワークして、さぼることなく攻撃も守備も一生懸命やっている印象を持っていました。僕自身、それほどスーパーなプレーができるわけではないので、セカンドボールをしっかり拾い、丁寧につなぐところだったり、地味なことをしっかりとやり、攻撃の第一歩になるプレーをやっていきたいなと思います」
●荒堀謙次選手:
「2年前の栃木と違うというか、アグレッシブにボールを取りに行くのでイメージは違うと思います。その中で縦への推進力とか、最後に仕事ができることを目指して、しっかりやりたいと思います」
●西川優大選手:
「外から見た感じでは、攻守にアグレッシブだし、みんなが真面目に動いていたので、凄く良いチームだなという印象を受けていました。個人的には裏への飛び出しとか、攻守の切り替えを見てもらえればなと思います」
以上
2014.08.15 Reported by 大塚秀毅
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