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【J1:第20節 川崎F vs C大阪】プレビュー:首位に肉薄する川崎Fと、勝ち切れずに苦しむC大阪との一戦は、流動性と、連動性が鍵を握る(14.08.16)

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前節の浦和戦において川崎Fが採用した3-4-3の布陣は、十分に実戦に耐えうる完成度を見せていた。それは2−1という試合結果はもちろん、試合内容においてもそうである。例えば守備について。浦和に主導権を握られる時間はある程度長くなってしまったが、危険な場面自体はほぼ作らせなかった。立ち上がりに喫した失点の場面や、サイドを使われたカウンターなど、ひやりとさせられる場面が皆無だったわけではない。ただ、浦和お得意のゴール前の連携はほぼ封じており、谷口彰悟を中心とした即席の3バック陣が連携面で成果を見せた。

その一方で、3バックへのシステム変更の主たる目的となった攻撃面ではいささか物足りなさがあったのは事実。ブロックを組む相手を攻め崩す分厚い攻撃の回数自体は多くなく、今後の課題の一つであろう。ただ、前半3分にレナトが同点ゴールを決めた場面は、丁寧にパスをつないでマイボールをキープしつつ、必要な場面で縦にボールを運ぶ大胆さを発揮しており、作ってきた攻撃の形ができていた。

カウンターにも鋭さが出つつあり相手チームに脅威を与える武器になっていた。例えばそれは、78分に決まる大久保嘉人の決勝点の場面で特徴的で、これ以外にも縦への早さで浦和を慌てさせた。この他にもここぞというシーンではレナトが仕掛けて局面を打開するなど川崎Fのストロングポイントを活かした攻撃が見られた。

マイボールにさえできれば、磨いてきた足元の技術によって浦和を押し込む事ができ、遅攻と速攻のそれぞれを効果的に使う戦いができていた。このC大阪戦において川崎Fがどのようなシステムで臨むのかは現時点で分からないが、3バックでも4バックでも対応出来る戦術的引き出しを増やしており、選手たちも指示一つで柔軟なシステム変更が可能となりつつある。

最終ラインの構成について「臨機応変にやりたいです」と話すのは實藤友紀。個人的な話だと前置きしつつ「自分は3バックの方がボールを運びやすいです。スペースがあるので」と述べて攻撃面について言及。「自分からも攻撃のスイッチを入れられるようにしたい」とオーバーラップする場面を想定していた。もちろん、實藤の攻撃参加によってバランスは崩れるが、崩れたら崩れたなりにカバーすればいい、という考え方が浸透しているようで、どこからでも攻められる、重厚な攻撃が見られるかもしれない。

攻撃に力点を置くことを意識する川崎Fが今節対戦するC大阪は、思うように結果を出せずに苦しんでいる。5月3日に行われた第11節の名古屋戦で勝利して以来、8試合連続未勝利と勝ち星から遠ざかっており、さらには直近の4試合で無得点。0−0で終わった前節のF東京戦では、途中交代となったフォルランがベンチで不服そうな姿を見せるなどチーム状態は不安定だ。また、このF東京戦の試合中に攻守の柱である山口蛍が負傷退場し、全治6週間の診断を受けて戦線離脱を余儀なくされており戦力ダウンは必至の情勢だ。

C大阪がこのF東京戦で見せていたのは、連動性の乏しさと、それによる単調な攻撃だった。F東京に対する脅威となっていたのは、エリア外から放たれるミドルシュートだったが、これは相手を攻め崩せないことによるものであり、攻撃の精度としても低いものにならざるを得なかった。また選手間の距離が遠くパスをつなげようにもつながらないという現象が見られており改善は簡単ではなさそう。とはいえ、フォルランを中心に攻撃のタレントは揃っており、歯車がひとつ噛み合えばゴールを脅かすだけの破壊力を持っている。元川崎F所属の楠神順平のドリブルにも注意したい。サイドからのドリブルでの仕掛けは攻撃面のアクセントとなっており、中央に飛び込む選手とのタイミングさえ合えば決定機となりうる。また第12節の対戦時に大島僚太とやりあい、退場処分を受けた南野拓実には自由にボールを持たせない慎重さが必要であろう。C大阪はチーム状態としてはまだまだ改善が必要な状況ではあるが、個々の選手の能力は高いだけに油断は禁物だと言える。

ちなみに中村憲剛は、8試合未勝利の相手だからこそ「大事な試合」だと話す。浦和戦で手にした勝点3の意味をムダにしないためにも「勝点3を積み上げたい」と意気込む。ただ「力んでも仕方ない」とも話しており「自分たちがやれることをやりたい」と述べていた。

気がつけば首位浦和、2位鳥栖との勝点差は1にまで縮まっている。首位が見えてきた状態にあるからこそ、中村憲剛の言うように「大事な試合」だとの認識を持って、気を引き締めなければならない。対戦相手がどんなチーム状態にあろうとも、自分たちがやるべきサッカーをやり通して、勝点3を手にしたい一戦である。

以上

2014.08.15 Reported by 江藤高志
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