J1リーグ再開後の5試合で18チーム中唯一の5連勝を飾るなど、好調をきたすガンバ大阪がホーム・万博記念競技場に名古屋グランパスを迎える。そのG大阪とは対照的に名古屋は5試合を3分2敗と白星がなく、苦しんでいる印象だが、DF田中マルクス闘莉王やFWケネディがケガから復帰し戦力が整いつつあること。何よりチームを率いるのが過去10年間にわたってG大阪を率い、選手の個性を熟知している西野朗監督であることを考えれば難しい試合になるのは必至。見応えのある対決を楽しめそうだ。
ここ5試合での『15得点1失点』という数字が示す通り、攻守にバランスのとれた戦いを続けているG大阪。前半戦は近年では珍しく、総失点数が総得点数を上回るなど攻守のバランスの悪さが否めなかったが、もともと攻撃でリズムを見出すチームということもあってだろう。ここ5試合、全ての試合で『先制点』を奪い、心理的にも優位に試合を運べていることがチームにいい流れを引き寄せている感は強い。また、その「点を獲れる安心感」に後押しされ、GK東口順昭を中心にした守備陣も自信を持って守備を展開している印象だ。
そうした攻撃陣の好調を牽引するのがFW宇佐美貴史とFWパトリックの2トップだ。特にパトリックが加入してからは前線でボールがおさまるようになり、それに連動して相手守備陣の裏をついたサイド攻撃や、宇佐美の存在感がより際立つなど『相乗効果』が多く見られるようになっている。「後ろからみていても、今はいろんな形で仕掛けられるし、点も取れる」とは守備の要・岩下敬輔だが、まさに、その攻撃バリエーションの豊富さが相手DFを混乱させ、かつ自分たちがプレーしやすいスペースを作り出していると言える。加えて、地味ながら攻守に効いたプレーを続けているのがMF遠藤保仁、MF今野泰幸のボランチコンビだ。中でも、今野は今季、本来のセンターバックではなくボランチを預かることが殆どという状況の中で、中断期間前は今ひとつ調子があがらず本人もどこか悩みながらサッカーをしていた感も強かったが、ここ最近は個人的にも身体のキレを取り戻し、安定感も抜群。遠藤とのバランスの取り方も絶妙で、彼の存在が攻守両面に落ち着きをもたらしていると言っても過言ではない。今節も彼の安定したパフォーマンスが攻守のカギとなりそうだ。
「名古屋はいま勝てていない試合が続いているけど、タレントもいるし、なぜ勝っていないのかが分からないくらいの内容のサッカーをしている。ただどちらかというと組織より個人で戦っている印象が強い。その個をしっかり警戒しながら僕らは組織的に攻守にバランスよく戦いたい(MF今野泰幸)」。
名古屋はケガ人続出の苦しい台所事情の中、中断あけ、3試合を引き分けたあと、2連敗。更に遡れば、第13節にG大阪に黒星を喫して以降、7試合、白星から遠ざかっている。特に前節の鹿島戦はエースのゴールで2度のリードを奪いながら最終的には逆転負けを喫するという重い敗戦になった。ただ、その鹿島戦では、DF闘莉王やDF矢野貴章、FWケネディら攻守それぞれに軸となる選手が戦列復帰を果たす中で「選手は非常にアグレッシブに戦ってくれた。チャンスもたくさんあったし、点差が開くゲームを作ることも可能だった。問題は勝負的なところにあった」と西野監督。その言葉にもあるように、内容は決して悲観するものではなかったが、勝負どころでの心身両面での経験値の浅さや、今のチーム状況を示すべく流れの悪さが結果を遠ざけたという印象だ。それについてはキャリアのある選手が戦列復帰し、輝きを取り戻しつつあることを後押しに徐々に改善されていくはず。あとはそうしたメンタリティや試合内容をいかに結果に結びつけていくかだろう。
注目は西野監督の嗜好するサッカーを踏まえても、またFWケネディの「高さ」やFW永井謙佑の「速さ」、MFレアンドロ ドミンゲスの「巧さ」と、個性豊かな迫力ある攻撃陣を考えてもやはり『攻撃』だろう。彼らに加え、14日に加入が発表され「ゴールに飢えている」と語ったFW川又堅吾も途中出場の可能性は十分ある。そうした個が組織としてどのようなハーモニーを奏で、かつ堅守が光るG大阪の守備陣を打ち破るのかに注目したい。
以上
2014.08.15 Reported by 高村美砂
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