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【J2:第26節 岐阜 vs 愛媛】レポート:雨中の激戦!!岐阜、怒涛の猛攻で今季初の逆転勝利!!!(14.08.11)

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台風の影響で開催が危ぶまれる中、何とか開催にこぎつけたこの試合。スタジアムに足を運んだのは、今季ではかなり少ない方に入る3,162人。しかし、この悪天候の中でも足を運んだ甲斐のある、実に劇的で興奮する試合を岐阜サポーターは目撃することが出来た。

この試合、岐阜は前節の長崎戦とアタッカー陣のメンバーを若干代え、両ウイングバックに田中秀人と益山司を、ツートップの一角にナザリトを起用。両ウイングバックを攻守のバランスが取れる選手を配置したことで、愛媛の攻撃の核となっている原川力と河原和寿の2列目をケアしながらも、積極的にサイドを狙って攻撃を仕掛けていく狙いを持った。

この狙いが前半はうまくはまった。岐阜の阿部正紀、中村英之、木谷公亮の3バックは、リカルドロボに阿部が、河原には木谷が、トップ下の原川にはアンカーの宮沢正史がマンツーマン気味に付き、相手の起点を奪う。ボールを奪ってからの展開も早く、清本拓己、ヘニキのツーシャドーと前線の難波宏明とナザリトに素早く預けて、そこからサイドに展開。その際に、木谷と阿部もマンマークのままにするのではなく、積極的に相手ボランチ脇のスペースに顔を出して、攻撃に厚みをもたらした。

30分に益山の右からのクロスを、ファーサイドで難波がヘッドで折り返し、ニアでナザリトがフリーになるが、ヘッドはミートせず。35分、CB中村が益山に縦パスを贈り込み、益山の落としを受けたナザリトが、DFを引き付けて、右を走るヘニキへスルーパス。これをヘニキが豪快にゴール左隅に蹴り込んで、岐阜が先制に成功した。
これで勢いに乗った岐阜は、36分にもバイタルエリアを制圧し、宮沢のループパスに反応した難波が強烈ヘッド。GK児玉剛のファインセーブに阻まれるが、攻撃の手をさらに強めた。

しかし、これにより機能していたはずの守備に、重大なミスが生じてしまう。全体が押せ押せムードになってしまったため、マンマークのバランスが大きく崩れてしまった。38分、一発のロングボールに反応したロボに対し、中村があっさりと入れ替わられてしまい、同点ゴールを蹴り込まれてしまった。直後の39分には阿部がDF村上佑介にボールを奪われ、その瞬間、2人のCBがボールに食いついてしまったために、左サイドに膨らんだ河原をフリーにしてしまった。村上佑のスルーパスが河原に渡ると、前に出たGK川口能活の頭上を破る鮮やかなループシュートを決められ、先制してからたった4分間で逆転を許してしまった。

そして、後半開始早々に試合が動いた。岐阜のキックオフからの展開がカットされると、愛媛のカウンターを受ける。右を破った原川のパスを中央で受けたロボがトラップすると、浮いたボールがDF中村の手に当たった。当たった場所はペナルティーエリアの外に見えたが、主審はPKの判定。これをロボに決められ、岐阜は痛恨の追加点を喫してしまった。

しかし、ここから岐阜が驚異の追い上げを見せる。52分に中村に代えMF比嘉諒人を、63分に難波に代えFW遠藤純輝を、74分には清本に代えMF太田圭輔を送り込み、アタッカーを次々と投入。
「3−1から5−1になる覚悟はしていた。でも手を打たないといけない。サッカーのギャンブルだった。もっとサイドから仕掛けて、ペナルティーエリア付近でのワンツーを増やす。比嘉もサイドから中に入って好き勝手やってほしかった」とラモス監督が語ったように、指揮官の「攻めきれ!」という強烈なメッセージに選手たちが呼応した。遠藤、太田、比嘉が果敢にサイドを仕掛けて、ヘニキも高い位置に張り出し、分厚い猛攻を仕掛けた。
これに対し、愛媛は両ウィングバックが完全にDFラインに吸収されるばかりか、渡邊と村上巧のダブルボランチも、DFラインに吸収されるなど、全体が引いてしまい、岐阜にバイタルエリアを完全制圧されてしまう。

すると76分、左スローインを受けた遠藤が左サイドからライナーのクロスを送り込む。これに反応した益山が、鮮やかなダイレクトハーフボレーで突き差し、反撃の狼煙となるゴールを挙げる。86分には太田がGKの前でバウンドする強烈ミドルシュートを放つ。たまらずGKが弾いたこぼれを、ヘニキが押し込んで岐阜が同点に追いついた。さらに猛攻を続ける岐阜は、90分に遠藤のドリブル突破がPKを誘い、このPKをナザリトがきっちりと決めて逆転。
この瞬間、ホーム長良川競技場のボルテージは最高潮に達した。そしてそのままタイムアップ。4−3で岐阜が愛媛を下し、4戦負けなしで11位に浮上した。岐阜にとって今季初となる逆転勝利は、1−3という状況から試合をひっくり返す、あまりにも劇的なものとなった。

これで岐阜は一つ引き分けを挟んで3連勝。だが、ラモス監督は「次が大事。次で3連勝」と、あくまで純粋な3連勝を狙っている。点を取った後にミスですぐに失点をしてしまうという悪癖は今後、しっかりと直さないといけないが、その悪癖が顔を出したにもかかわらず、勝点3を掴めたことは大きい。この勝利を弾みに、岐阜にとって大きな目標である一桁順位に向けて、次節の群馬戦の勝利を貪欲に狙っていく。

以上

2014.08.11 Reported by 安藤隆人
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