両チームの初対決を振り返ると4月13日、6連敗中の讃岐はアウェイ熊本で圧倒的な力の差を見せつけられて1−4で完敗した。あれから4か月、シュート数では熊本を上回るほど讃岐は成長していた。たとえ後半アディショナルタイムの同点ゴールで勝点1を手に入れても満足はできない。降格圏脱出へ後のない讃岐北野監督のコメントは「初めての連勝を目指したこの試合で勝点2を失ったのは残念」。それほど、この試合に懸ける讃岐の意気込みは強かった。
失点シーンを振り返ると前半44分、熊本のフリーキックからのクリアボールがルーズになって中山雄登の前に、中山はシュートを打つような体勢から前線で待つ齊藤和樹めがけてディフェンスライン裏へ浮き球のパス。これに反応した齊藤がディフェンスを背負いながら胸でトラップしてボールをコントロール、左足でゴールネットを揺らした。讃岐にとっては立ち上がりから良い形で主導権を握っていただけに前半途中で交代を余儀なくされた古田寛幸のケガが惜しまれる。北野監督は「古田が交代となって、3人目で仕掛けられる選手がいなくなって、それまで下がっていた相手が前からプレッシャーを掛けて来た」、「熊本のファール数はリーグで一番多く、当たりの強いチーム。その強さに対してちょっと引いてしまった。そこはうちがまだまだ弱いところだと思う」と語った。
後半になって讃岐は57分に木島良輔、69分に高橋泰を投入して徐々に攻撃のリズムを取り戻す。後半のシュート数は熊本の1本に対して讃岐は8本、そのうちの5本を木島と高橋が放った。そして迎えた88分、左サイドを抜けた木島からのクロスを高橋がヘッド、熊本GK畑実が弾いたところを再び高橋が倒れた姿勢のまま右足シュート、今度はディフェンスに当たりゴール前に詰めた藤井航大の目の前に・・・・。このチャンスを活かせず試合はアディショナルタイムに突入。敗色濃厚となったホーム讃岐だが選手は最後まで諦めなかった。少し前がかりになった熊本にプレッシャーをかけて中盤でボールを奪って中央の関原凌河から右サイドでフリーの高橋へ。高橋はこのボールをダイレクトでファーサイドへ柔らかなクロス、藤井が頭で押し込んで同点とした。この場面、ニアサイドに小澤雄希、ファーサイドに藤井、そしてその後ろには木島が控え、ペナルティエリアには5人もの讃岐の選手が突入していた。絶対に負けられないという選手達の気持ちが現れた場面だった。
終了間際に何度も訪れた藤井の決定機、試合後のインタビューで分かったのだが藤井が前線に出たのは自分の意思だったようだ。熊本にとっては悪夢の同点劇、小野剛監督は「どちらかと言うと、真っ向からボールを奪いに行ってゴールに向かってというサッカーから、ゲーム巧者になる必要性を感じました。一朝一夕にはいかないでしょうが、少しずつ求めていきたいと思います」と語った。
台風の影響で試合の開催そのものが危ぶまれキックオフの時間が1時間遅れになったこの日、スタジアムに詰めかけたファンは2,066人。注目を浴びる残留争いを選手もサポーターも楽しみ、香川のサッカーシーンが更に盛り上がることを期待したい。
以上
2014.08.11 Reported by 大森一(オフィスひやあつ)
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