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【J2:第26節 水戸 vs 北九州】レポート:水戸は攻めても攻めても追加点を奪えず、本間幸司のJ2通算500試合出場の記念すべき一戦はドローに終わる。(14.08.11)

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何かが変わりそうな気がした。
本間幸司の史上初となるJ2通算500試合出場達成の記念すべき一戦。水戸のレジェンドの新たな伝説の瞬間を見ようと、試合前まで暴風雨が吹き荒れていたものの、3,500人を超すサポーターが詰めかけた。そして、選手入場時には水戸の選手全員が「背番号1」の黄色のGKユニフォームを着て入場。水戸に携わるすべての人が本間の偉業を祝福しようという雰囲気がスタジアムに充満していた。
水戸の歴史に残る一戦に向けて「上昇気流に乗るきっかけにしたい」(本間)という思いが強かった。これまで決して内容は悪くないながらも勝ちきれない試合が続き、上位に食い込めない現実に直面している。チーム全体が「幸司のために勝とう」(柱谷哲二監督)といつも以上に高いモチベーションで挑む勢いで現状を打破したいところだった。

序盤からその意志をプレーで示した。今週水戸が取り組んできたのは「前線からのプレス」。高い位置でボールを奪い、そこから厚みのある攻撃で畳みかけてゴールに迫ろうという意図を持って試合に臨んだ。ここ数試合、なかなか前線から連動するプレスをかけられず、守備のゾーンが低くなったため、攻撃に迫力を持たせることができなかった。そこでもう一度自分たちの原点に返るために「奪われたら奪い返す」(柱谷監督)意識を徹底したのであった。

序盤から水戸の積極的な姿勢が北九州を圧倒した。雨のためピッチ状態が悪く、ロングボールを多用する展開となったものの、球際やセカンドボールの競り合いでことごとく水戸が勝利し、押し込む展開が続いた。
「今日は自分たちで長い時間ボールを持てたし、相手陣内でサッカーができた」と西岡謙太が振り返るように、積極的な守備でリズムをつかみ、北九州の守備陣に圧力をかける時間帯が続いた。
31分にロングスローから失点を喫すものの、その後も変わらず水戸が攻勢に出て、57分に右CKをファーサイドで待ち受けた鈴木隆行が技ありのヘディングシュートで同点に追いつく。

風上となった後半、水戸はショートパスを増やし、ほぼ一方的に攻め込む展開を築き、ここ数試合見られなかった攻守において躍動感のあるサッカーで再三チャンスを作り出した。70分には左サイド田中雄大からのクロスをファーサイドで小澤司がボレーで合わせるもののGKに防がれ、81分にはペナルティエリア右サイドでボールを受けた鈴木隆が反転して放ったシュートはGKの正面に飛び、90+4分には左サイドから対角線のボールを受けた鈴木雄の折り返しに走り込んだ途中出場の三島康平がゴールを狙うが、これもGKにセーブされて決めきることができなかった。
もし、ここでもう1点取っていれば、「水戸は変わった」と言うことができただろう。しかし、体を張ってゴールを死守する北九州から追加点を奪うことができずに試合は終了。またも内容と結果が伴わない試合を繰り返してしまった。結果的に「変わる」ことはできなかったのだ。「勝ちきる強さを身につけなければならない」。西岡は険しい表情でそう口にした。

ただ、ピッチコンディションの悪い中でも自分たちのやるべきことを貫き、水戸の原点である「前線からのプレス」を取り戻しただけに納得いかない結果に終わりながらも、手にした収穫は決して小さくないと言えるだろう。
なかなか勝ちきれず悔しい試合が続いているものの、下を向くことなく、目指すサッカーをしっかりと見据えながら前に進んでいくことが求められる。「今日の試合を続けていくことで点は取れるようになると思う」と新里亮が力強い口調で語ったように、現状を打破するためにもこの試合の内容を最低限のベースにして、今後も攻守に積極的な水戸らしいサッカーを続けなければならない。特効薬はないのだ。
この一戦であらためて進むべき道が明確になった。自分たちを信じて前に進めば、「変わる」瞬間はきっと訪れることだろう。

「最低限の結果を持って帰れる」。試合後、柱谷幸一監督は安堵の表情を見せた。90分通して水戸に主導権を握られながらも粘り強い守備で対応し、ワンチャンスを生かして勝点1を獲得してみせた。この試合巧者ぶりこそが現在の北九州の好調を支えていると言っても過言ではない。「守備が崩れないのは自分たちの強み」(星原健太)という自信が試合を重ねるために深まっており、劣勢に立たされても慌てることなくゲームを運ぶことができている。上位に位置しているのは必然であることを証明する勝点1であった。

以上

2014.08.11 Reported by 佐藤拓也
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