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【J1:第19節 甲府 vs 仙台】レポート:J1残留戦線異状なし。J1再開後の引き分けキングに就任した甲府と仙台。(14.08.10)

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J1再開後の引き分けキングとなった甲府と仙台。第714回totoではこの試合を35%近い人が引き分けと予想していた訳だが、正しい判断だった。と、同時に「甲府に勝ってほしい」と思って「1」をマークして試合を見た人も、「仙台に勝ってほしい」と思って「2」をマークして試合を見た人も、「勝てた」と感じた試合内容ではないだろうか。そして、お互い決定機を作り作られ、終盤に失点して負けていれば結構追い込まれた気分になっていたであろうと思うと、ちょっとホッとする部分がないでもない引き分け。「負けないけれど、勝てない」、「悪くないけど、もう少し何かが足りない」という課題を引き摺ったままお盆を迎えることをご先祖様に命じられた両チーム。

甲府はマルキーニョスパラナをケガで欠き、その穴を埋めるはずだった保坂一成を体調不良で欠くというボランチに災難が続く中で迎えた仙台戦。ただ、仙台はあの恐ろしいウイルソンがケガで不在だったので、甲府少し有利の互い様的な気分でメンバー表を眺めた。しかし、始まってみると、FW武藤雄樹はスカパーで観て持っていた印象よりも35%増しでいい選手で、ほくそ笑む予定はキャンセル。赤嶺慎吾とのコンビネーションも良く、縦パスがどんどん入るからなんとなく嫌な予感がする立ち上がり。甲府は前への圧力がストロングポイントである新井涼平と稲垣祥がボランチでコンビを組んでいて、フェレットとマングースのようなコンビでボールに喰らいついていくが、喰いつき過ぎなのか縦パスは入れられてしまうし、セカンドボールもミズノよりアシックス寄り。ただ、甲府の3バックの真ん中にはイギリスのブックメーカーの選手評価ランクなら8段階の上から2番目の「K」になりそうな山本英臣がいる。読みと判断力が抜群なので中盤で少々ミスがあっても最後は彼が帳尻を合わせて決定機は作らせなかったし、GK・荻晃太のシュートストップも冴えていた。

甲府は流れの中では決定機をなかなか手にできなかったが、城福浩監督はそれも想定内としていて、今週はセットプレーに力を入れていた。小倉勉コーチのアイデアでもあったが、ノーマルのコーナーキックとショートコーナーをじっくり確認するのではなく、千本ノックみたいに繰り返し行って、どういうボールを入れるとどこが空くのか、ショートコーナーを使うとどうズレるのかなどを身体で感じることを意図して3日間連続で行ってきた。3分、最初のコーナーキックでジウシーニョがショートコーナーを選択したところに、その意図を感じたが、その後はショートコーナーを仙台が警戒している様子で、練習でやったショートコーナーを発揮することは難しかった。

決定機のなかった甲府は前半最後のカウンターのチャンスに、ジウシーニョが逆サイドから走り込んでくる阿部拓馬にぴったりの滞空時間のアーリークロスを入れて、阿部(拓)が頭で合わせた。「キターッ」と言いたくなるシュートだったが、GK・関憲太郎に防がれてしまう。そして、運の悪いことに阿部(拓)は右のハムストリング付近を痛めた様子で前半のアディショナルタイム中にベンチに下がることになってしまった。1点未満打線の甲府にとって、阿部(拓)の離脱が長期化すればかなり痛いが、その心配はお盆にするとして目の前の心配は後半。

前半は0―0で凌いだ甲府だが、得点の匂いが強かったのは仙台だっただけに何か手を打つ必要はあった。阿部(拓)に代わって入るのは盛田剛平か水野晃樹だと思っていたが、ハーフタイムにピッチでボール蹴るベンチメンバーの中に盛田の姿がなかったので答えは「盛田」。ただ、途中出場の盛田をチームとして活かせるまでに少し時間がかかるも今の甲府。仙台にややシーソーが傾いたまま時間が過ぎていく。66分に赤嶺が足を痛めて下がるとちょっとホッとできるのかと思いきや、直後に武藤の決定機がダブルで到来。これは凌いだが、甲府の中盤のパスミスなどから仙台が効果的なカウンターをみせる。ただ、これが決まらない…というか甲府も山本やGK・荻を中心に防いだのでお互い様。

後半も真ん中を過ぎると仙台の鉄壁の守備にも疲れが出たのか、甲府のセットプレーが増え、そこから決定機を作るが、78分の青山直晃のヘディングはGK・関に触られてバーに当たってゴールの中には転がっていかない。3分後の新井のミドルも4分後の盛田のヘッドもモウチョット。昔の甲子園球場のようにゴール枠の外に”ラッキーゾーン”でも作りたい気分になるシュートが続いた。後半の終盤は両チームのサポーターが想いのこもった歌でピッチの選手を後押しする。仙台のチャンスは87分の角田誠のヘディングシュートを甲府の12人目の外国人ディフェンダー・ファーポスト氏が防ぎ、アディショナルタイムの柳沢敦のダイビングヘッドは実在のGK・荻が防いだ。仙台は終盤に投入された期待の野沢拓也がいい仕事をするも、阿部(拓)同様に、期待したくなるプレーは見せるも、挨拶代りに勝点3をサポーターにプレゼントすることができなかった。

お盆明けには1度もJ2に降格したことがない鹿島と戦う甲府と、同じく清水と戦う仙台。残留争いの仲間のほとんどが負けるか引き分けているので、残り試合が減っただけで残留争い戦線は異常なしの中どう戦うのか。特に仙台はすぐ上の順位の清水なので勝って抜きたい。勝てないからみんなこの順位にいる訳だが、仲間は次第に減っていくはずなので、次こそは勝たないといけない。勝っても負けても引き分けても次が大事というサッカーの教えは変わらないし、最良のものは過去にあるのではなく未来にあるというブラックバーン校長の教えも大事。第20節の勝利を信じ、信じる心で勝点3を引き寄せたい。

以上

2014.08.10 Reported by 松尾潤
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