台風11号の影響が懸念された中、強風こそ吹いたものの、無事に試合が開催された、ヤンマースタジアム長居でのJ1第19節、C大阪vsF東京の一戦は、互いにゴールが遠く、スコアレスドローに終わり、勝点1を分け合った。C大阪は連敗を2で止め、順位こそ15位に浮上し、J2降格圏を脱したが、これでリーグ戦8試合勝ちなし。4試合連続無得点と、今回も攻撃陣は不発に終わった。一方のF東京は、連勝が3でストップし、G大阪に抜かれて暫定6位となったが、4試合連続無失点を達成。無敗を7試合に伸ばした。
この試合に向けて、非公開練習も実施。古巣対決となった長谷川アーリアジャスールが中断明けでは初めて、楠神順平が5試合ぶりに先発し、システムも4-2-3-1に変更したなかで臨んだC大阪。度々のセットプレーや、F東京MF米本拓司のゴールポスト直撃のミドルシュートに脅かされることもあったが、山口と長谷川のダブルボランチとなったことで、守備は安定。そのため、「高い位置でボールを握れていたと思うし、相手が中を固めているなか、サイドを使ったり、うまくくさびを入れたりできていた」(長谷川)。ただし、攻撃面では、フォルランがシュートの形を作り、前半だけで4本放つも、いずれも遠目で、枠を捉えず。F東京の高橋秀人曰く、「相手がしっかり踏み込んだミドルレンジのシュートは打たせていなかった」。また、C大阪のマルコ ペッツァイオリ監督になってからのこだわりの1つであるサイド攻撃でも、クロスは左右から入るも、中央で合わない。F東京守備陣の前に、迫力ある攻撃は影を潜めていた。
「F東京は後半に入って、最初の10分、15分は攻撃的に来た」とペッツァイオリ監督も言うように、ハーフタイムで折り返した後は、F東京にボールを回される時間も目立ったC大阪。そこで66分、ペッツァイオリ監督は決断を下す。「ディエゴ(フォルラン)も疲れていたし、(永井)龍はフレッシュであり、より大きな動きをチームにもたらしてくれるので、彼を投入した」というように、前線をてこ入れ。この交代に、世界的ストライカーが不満の態度を表したのは残念だったが、指揮官のコメント通り、「彼(永井)が入ってから、前線に動きが出て、活性化された」のは明らかだった。
しかし、C大阪として誤算だったのは、その交代直後のプレーでの、山口のアクシデント。接触プレーで右ひざを傷めた主将は、自らプレー続行不可能のサインを出し、ピッチ外へ(右ひざ外側半月板損傷で全治6週間の診断)。攻守の軸となるダイナモの不在で、C大阪のパワーダウンは否めなかった。それでも、79分には南野拓実が、83分には山口に代わって出場していたキム ソンジュンが、好機を作る。さらには、ポストプレーや前線での奮闘が目立った永井も、終了間際にゴール前でチャンスを得るも、いずれもシュートが枠を捉えず。F東京GK権田修一らの壁を突破することもできなかった。「あれ(決定機)が決められないと、その他のプレーがよくても、FWとしてはダメなので」と悔やんだのは永井。「後ろが失点ゼロで抑えてくれていたので、前(の攻撃陣)が得点を取らなければいけなかった試合」という楠神も、「見に来てくれているサポーターにも申し訳ない」と反省の弁を述べていた。試合後には、無得点や勝ちなしが続く状況に、C大阪サポーターからも不満の声が出ていたのは事実。それでも、「この難しい状況を抜け出すために、全員が働き続けなければいけない。信じてやっていくしかない」とペッツァイオリ監督が言うように、徐々に形が見えてきている今が、我慢のときであり、正念場になるだろう。この引き分けの価値は、次節以降の戦いに見えてくるはずだ。
一方、羽生直剛が欠場した中、東慶悟が6試合ぶりに先発メンバーに入ったF東京。河野広貴が精力的に動き回ってボールに絡んだり、武藤嘉紀がスピードを活かしてチャンスを作るなど、C大阪をかき回す攻撃も見せた。「チームはしっかりとチャンスを作るところは作ったし、相手にほとんど好きなようにさせなかった」というのは、マッシモ フィッカデンティ監督。しかし、最近の持ち味である速攻は発揮しきれず。それでも、「順位が下のチーム相手に引き分けたという表面的なことだけではなく、いい相手だったということをしっかりと意識して、その相手に対してしっかり(無失点で)守れたということを、自分たちは自信を持っていきたい」と森重真人が言うように、チームはアウェイでの勝点1獲得を前向きに捉えていた。
以上
2014.08.10 Reported by 前田敏勝
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