列島を襲う猛暑の中、J2でも熱い戦いが繰り広げられている。クラブ史上最強チームとなるべく戦いを続ける者。2枚のJ1自動昇格権を手にするために戦う者。プレーオフ進出を目指す者。あるいは生き残りをかけて戦う者。それぞれのチームによって目標は違う。しかし、クラブとチームの意地と誇りをかけた戦いは、どんな事情があっても、その目的が違っても、勝たなければいけない戦いであることに変わりはない。そして10日、福岡はレベルファイブスタジアムに磐田を迎える。
後半戦の福岡は勝てない日々が続いている。ここまで2分2敗。通算成績9勝7分9敗で、順位を前半戦終了時の6位から10位に下げた。ひとつ、ひとつの試合を見れば、自分たちのやりたいことを表現する時間は多い。何かが少し違っていれば、また別の結果が生まれたのではないかと思える試合も多い。しかし、勝負の世界は結果がすべて。勝たない限り何も手にすることはできない。まずは1勝を挙げて、再び上昇気流に乗るために磐田戦に臨む。
対する磐田は14勝5分6敗の3位。J2では屈指の個の能力の高さを誇るチームの目標は1年でのJ1復帰。しかし、思ったように勝点を伸ばしきれていない印象が強い。現在、得点順位3位の前田遼一の欠場が影響してか、後半戦の成績も1勝1分2敗と勢いに乗りきれないでいる。結果として、首位・湘南に勝点21の差をつけられ、勝点4差で松本の後塵を拝している現状には、誰ひとりとして納得している者はいないだろう。福岡戦に勝利することで流れを変えたいという気持ちは強いはずだ。
両チームの前回対戦時の結果は3−3のドロー。立ち上がりから圧倒的な攻勢に出た磐田が2点のリードを奪ったが、そこから福岡が反撃を開始。流れるようなパスワークを身上とする磐田に対して、ボールに対してアグレッシブにプレスをかける持ち味を発揮して同点に持ち込んだ。「磐田は湘南と肩を並べる実力のあるチーム。チームとしての経験値があり、1人、1人の個の能力が高い。でも、だからと言って、彼らに対して我々がいいプレーができないということではない」とはマリヤン・プシュニク監督。前回対戦時に1得点1アシストと活躍した武田英二郎もイメージは悪くないと話す。
不用意なロングボールを使わずにグラウンダーのパスにこだわって戦う磐田と、高い位置から激しくボールにプレスをかけ、奪ってから素早い攻撃に転ずる福岡の特長を考えれば、試合は真正面からぶつかり合う真っ向勝負。勝敗のポイントは、福岡がボールを奪いきれるのか、それとも磐田が激しいプレスをかいくぐるのかにある。そして、2試合連続無得点の福岡はフィニィッシュの精度を上げられるかがこの試合の課題。磐田は直近の5試合で11失点の守備を、いかに修正するかも試合を左右するポイントになる。また、福岡ではイ グァンソン、パク ゴンが、磐田は松井大輔と、ともに主力メンバーを出場停止で欠くが、その代わりを務める選手のパフォーマンスも試合に大きな影響を与えそうだ。
さて、首位の湘南が独走を続け、2位につける松本がジリジリと3位以下のチームを引き離しにかかっている現状では、既に松本との直接対決を終えている磐田にとっては、アウェイとはいえ勝たなければいけない試合。併せて、前回対戦時に圧倒的に有利な状態、しかもホームでの戦いでありながら引き分けに持ち込まれた雪辱も果たさなければならない。前節の松本戦を見る限り、チームは勢いを取り戻しつつあり、かなり攻撃的に出てくることが予想される。
そして、プシュニク監督も「攻撃に関して、もっと積極的に、アグレッシブに仕掛けたい」と話し、一歩も引かない構えを見せる。現在、プレーオフ圏内となる6位千葉との勝点差は4差。残り試合数を考えれば十二分にチャンスはあるが、そのためには、しっかりと順位が上のチームに喰らいついていくことが条件。ましてやホームでの戦い。どんな状況になろうとも勝点3が必要な試合であることは言うまでもない。「攻撃の所に少し変化を加えたい」と話すが、その采配にも注目だ。
いずれにせよ、両チームの戦いが激しい展開になることは必至。夏休みを利用してスタジアムに足を運ぶ大勢のファン、サポーターの前での好ゲームを期待したい。
以上
2014.08.09 Reported by 中倉一志
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