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【J2日記】栃木:耳に残るのは、マサの声(14.08.05)

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Mr.ポジティブこと大和田真史が“グリスタ”に帰ってきた。と言っても、もちろん現役選手としてではなく、解説者として慣れ親しんだスタジアムに戻ってきたのだ。

昨季で壁にスパイクをかけることを決断した大和田氏。現在は東京国際大学サッカー部のコーチを務めている。ちょうど大学が夏休み期間に入ったこともあり、今回スカパー!のオファーを受け、讃岐戦で解説者デビューを飾ることとなった。

試合前に声を掛けると、「心臓がバクバクしていますよ」とやや表情は堅かったものの、嫌な汗は出ていないようで脇汗はかいていなかった。テレビ放送の打ち合せが終わると栃木のロッカールーム前に向かい、昨季まで一緒に戦った選手たちに近況を報告しつつ情報収集。現役当時と変わらず、試合に臨む準備に手抜かりはない。

現役時代に地元のFMラジオ局・RADIO BERRYで冠番組の「SCFM『マサラジ』」(現在は菅和範がパーソナリティーを務める「SCFM『ラジカン』」が好評放送中)を持っていたことから、実況アナウンサーとの掛け合いもスムーズで、コメントを挟むタイミングも絶妙だった。「DFの目線でコメントしてほしいと言われたいので、そこは意識しました」と言うように、放送ではセットプレーの局面やリスクマネジメントに関して、選手目線でその時の心情や状況を説明。非常にわかりやすく、こんなことを考えながら守っているのか、と視聴者に新たな視点を提供していた。冷静なプレー分析がある一方で、華麗なプレーには「スーパー!」と叫び、好守には「すばらしい!」と思わず条件反射で声が出たり、ピッチを離れて間もないからこそ聞ける感想も発していた。それはそれで初々しく、新鮮味があった。

試合後、ミックスゾーン(取材エリア)で取材を受けていると、横を通る元チームメイトにいじられるなど、大和田氏への周囲の反応も相変わらずで懐かしさを感じた。初解説で古巣が負けてしまったことに関しては落胆の色を浮かべていたが、「みんな、頑張っていると思いますよ。頑張っていない選手なんていないですよ。ちょっと歯車が合っていないだけで、それが合えばいつもの流れに戻るはずです。今は我慢する時なのかなと。僕の現役時代にもこういうことはあったし、1つ勝てば違ってくるはず。それはみんなが感じていることだと思います」と、激励の言葉を並べた。自身の解説については、「うーん、どれだけしゃべれたかはわからないですけど、やってみて良かったなと思いましたね。こんな経験はなかなかできないですから。また声を掛けていただくことがあったら、ちょっとやってみたいなと思えるくらい(放送ブースの)居心地は良かった。それは周りがサポートしてくれたからなんですけどね。相当、迷惑をかけたと思うんで、今度は迷惑をかけないようにしたいですね。本格的にやるならば、もっと勉強しないといけないと思います」と自己採点はやや厳しかったが、本人が言うほど周囲の評価は低くなかったのではないだろうか。

最初で最後のつもりで臨んだ解説だが、好奇心旺盛な性格がうずいたのか、次への色気ものぞかせた大和田氏は、「僕はSCが好きなので、いつでも応援しています!」と変わらぬ栃木愛を口にした。クラブ愛にあふれ、貴重なDF目線の心地いい解説がまた聴ける日を楽しみに待ちたい。

以上

2014.08.05 Reported by 大塚秀毅
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