常に門戸は開いている。集団を束ねる指揮官として指針は示すが、一方的に自分のやり方を選手に押し付けることはしない。状況に応じて物事に柔軟に対応すれば、聞く耳も持つ。だから、意見を突っぱねることはない。
前節の大分戦で栃木は1−0から1−2にされて逆転負けを喫した。数的優位を生かせずに敗れた傷は浅くないが、ここ数試合続いていたセットプレーからの失点が解消されたことは小さくなかった。これまでCKはマンツーマンで守っていたが、大分戦ではラドンチッチに赤井秀行がマンマークで付いたものの、基本的にはこれまでと異なりゾーンで対応した。
シーズン途中での方向転換を提示したのは阪倉裕二監督ではなく、選手たちから自発的に持ち掛けたものだったという。
「前からちょっと(ゾーンにしたらどうかという意見は)出ていた。最終的に決めるのは監督だけど、それを監督に投げかけたら、『やってみよう』ということになった」
そう明かしたのは、守護神の鈴木智幸。問題解決をスタッフ陣に委ねるのではなく、選手たち自身で解決したことには大きな意味がある。提案したからには一定の成果を出さなければならない。少なからずプレッシャーもかかるが、「みんなでやりやすい方でやろう話し合った。やらされたわけではないし、自分たちで決めたことなので責任を持ってやらないといけない」(鈴木智)と、今まで以上に責任感が生じたことがプラスに働き、課題を乗り越えることができたのだ。
「もったいない失点が続いていた中で、ちょっと(セットプレーへの抵抗感が)なくなったのは良いことだし、これでいい方向に向くはず。後ろ向きではなく、『やられない』という気持ちを持てる」と話した鈴木智の表情は沈んでおらず、「あとは、ミスをなくせばいい」とポジティブな言葉が並んだ。
監督経験の浅い阪倉監督が率いる若いチームは試行錯誤を重ね、痛い思いを繰り返しながらも、確実に前進している。結果はもちろん大事だが、今季の栃木には成長過程を見守る楽しみもある。
以上
2014.08.01 Reported by 大塚秀毅
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