リーグ戦再開後、新潟は3連敗、C大阪は2分1敗と、ともに未勝利。今後につなげるためにも、どちらも自分たちの形で勝点3を奪いたい。
特に新潟は3試合連続で0-1。失点は最小限度に抑えているが、その1点を返せないほど得点力不足に陥っている。それを打破するためのキーマンの1人がMF成岡翔。前節の川崎F戦はスタメンだったが、第15節浦和、第16節F東京戦は後半途中出場。「苦手です」という夏場は体力の消耗も激しい。そのためサイドハーフのスタメンの座は安泰ではない。今節もスタメンは微妙。もっとも、正確なパスと攻撃時の的確な判断は、ここ一番で必要。それがチームを活性化させる。
「ゴールに向かう意識を全員が持たないと」と成岡。ゴール前でボールを持ちながら、裏を狙う意思統一ができない。前線からボールを奪い、局面でパスをつなぐ形に持ち込みながらも、最後の精度と勝負強さが足りない。ここ3試合はそんな流れが続く。打開策として、「つながらないかもしれないけど、敢えて裏にパスを出すのも1つ。そして『何でそこで裏に出ないの?』って。そうやって意識付けするのも方法です」。足元にボールが集中して、ダイナミックさが薄れかけていると分析。思い切って前への動きを促すプレーを自身の役割にする。
「練習からいろいろとチャレンジしなければならないし、試合のときはそれを出す積極性が必要」とも。サイドからの攻撃には、スイッチを入れる役割も期待される。自分から仕掛けていくことも、「有効な攻撃になるのならば」と選択肢の1つ。大事なのは相手へ脅威を与えるプレー。それがC大阪戦がテーマだ。出番が回ってきたときには、率先して現状打開をプレーで示す。
C大阪も得点力はいまひとつ。第15節横浜FM戦は2-2だったが、第16節甲府戦はスコアレスドローで前節鳥栖戦は0-1。ここ2試合は無得点だ。ただ、新潟の柳下正明監督は「セレッソのサッカーが悪いとは思わない。相手よりいいサッカーをしている」と警戒する。
扇原貴宏からの前線へのロングパスに、フォルラン、南野拓実らが反応する。一昨年の開幕戦、C大阪は新潟を1-0で敗った。扇原からのパスを柿谷曜一朗が決めたもの。それだけでなく、今はボールをつないでスペースを突く形もある。両方を使い分けてきたときには、C大阪のペースになる。
新潟は積み重ねてきた形の精度を上げることに集中してきた。裏を突く際の出し手と受け手のタイミングを合わせ、繰り返し狙い続けることで活路を開く。どちらもボールを奪いに行くところからリズムを作る。攻守の切り替えの早さと、その後のプレーの正確さが流れを大きく左右する。
以上
2014.08.01 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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