ため息のこぼれるゲームだった。群馬は再三にわたる決定機をつかみながらも、ゴールネットを揺らすことができずに無情のスコアレスドロー。勝ちきれなかった秋葉忠宏監督は「もっともっとシュート練習をします」と表情を曇らせた。
連勝を狙う群馬は、新守護神・富居大樹がホーム初先発。リーグ3試合目の先発ながら落ち着いた振る舞いで最終ラインに安定をもたらす。対する北九州は、連戦の疲労を考慮して前線のメンバーを変更。群馬県出身の大島秀夫が12試合ぶりの先発のピッチに立った。4−4−2のシステム同士の戦いとなったゲームはスローテンポで時間を刻んだ。
ゲームが動き始めた10分すぎからチャンスをつかみ出したのは群馬だった。12分、カウンターからロビーニョが決定機を迎えるが、北九州・前田和哉がブロック。その後も永田亮太、瀬川和樹がゴール前で絶好機を得るがシュート精度を欠いて得点が奪えない。40分すぎには小柳逹司のミドルシュートがバーを叩くなど、運にも見放されて前半をスコアレスで折り返す。
攻める群馬、守る北九州。後半もゲームの流れは変わらなかった。バイタルエリアに守備ブロックを敷き、センターを固める北九州に対して、群馬はじっくりとボールを動かしチャンスをうかがう。53分にはセットプレーの2次攻撃から青木良太が巧みなヒールでゴールを狙い、56分には永田が2列目からシュートを浴びせる。だが、2本とも枠をとらえられずゴールを割れない。
最大の見せ場は70分からの波状攻撃だった。ショートカウンターからチャンスを迎えた宮崎泰右が渾身のショット。それはGK大谷幸輝の好守に阻まれるが、ダニエル ロビーニョがそのこぼれ球をゴール前で拾う。待望のゴールかとだれもが確信したが、無人のゴールへ蹴り込むだけだったシュートは無情にも枠を外れて転がっていく。ロビーニョは「思い出したくもないシーン。しばらくは幸せな気分になれない」と頭を抱えた。
さらに悪夢が続く。群馬は直後にロビーニョのラストパスを受けたエデルがペナルティエリア内でGKと1対1になるが、逆サイドのファウル判定が流されずにプレーがストップ。運にも完全に見放された群馬は14本のシュートを放ち、7度の決定機を迎えながらも無情のドローとなった。
北九州は、群馬に押し込まれる展開ながらもGK大谷幸輝の活躍などで失点を回避。内容こそ課題を残したが、敵地での勝点1を手にした。ゲームの主導権は群馬に譲ったものの、虎視眈々と決勝点を狙うスタイルは健在で、5位をキープした。大島秀夫は「今日は相手のハードワークもあって自分たちのゲームができなかった。いまは5位だが内容と順位を比例させていくことが必要」と話した。シーズン佳境へ向けて攻撃のクオリティを高めることが今後の課題だ。
群馬にとっては悔やんでも悔やみきれないゲームだ。5位北九州を圧倒する内容をみせたことは自信となるが、結果が伴わなければ順位は上がらない。試合後、チーム内から「決定力不足」や「不運」という言葉がもれる中、ベテラン青木良太は「練習中からシュートがぜんぜん決まっていない。それが試合に出てしまったと思う。一人ひとりが意識を変えて練習に取り組まなければいけない」と警鐘を鳴らす。チームは試合を重ねるごとに成長を続けている。この日も5位北九州との間に力の差は存在しなかった。これからの群馬に求められるのは、チャンスを仕留める「責任」と、上位を狙う「意志」だ。
以上
2014.07.31 Reported by 伊藤寿学
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