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【J2:第24節 水戸 vs 長崎】レポート:多くの決定機を決めきれなかった水戸。展開力の欠如が長崎の頑張りを生み、スコアレスドローに(14.07.31)

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「水戸に助けられた」と長崎・高木琢也監督が安堵したように、再三築いたチャンスを水戸が生かすことができずにスコアレスドローという結果に終わった。

前節から中3日で開催された今節、水戸は8人もメンバーを入れ替え、さらに「出したい選手を考えた時に優先的に3バックになった」と柱谷哲二監督が説明したようにシステムを4−4−2から3−4−3に変更。前節とは別チームのような布陣で試合に臨んだため、連係に不安を残してのスタートとなった。序盤こそ不安定なところを見せながらも5分を過ぎると「我々のゲームに持っていけた」と柱谷監督の言葉通り、水戸が主導権を握る展開が続いた。
吉田眞紀人と馬場賢治の2シャドーが巧みに長崎の3バックの横とDFの前で起点を作り、鈴木雄斗と田中雄大のウイングバックが果敢にサイドを突いて長崎ゴールに迫った。3分には右サイドから中央に切り込んだ吉田がシュートを放つもGK正面。10分には右サイド鈴木雄からのクロスを馬場が受けてボレーシュート。だが、ゴール上に逸れてしまう。そして、前半最大のチャンスは18分、三島康平のポストプレーから吉田、馬場とつなぎ、最後はゴール前に侵入した馬場が鋭い切り返しでDFをかわして飛び出してきたGKの手前でシュートを打つ。ボールはGKの横をすり抜けていったものの、わずかにゴール左に外れてしまった。

後半に入っても水戸ペースは変わらず、49分には左サイドを突破したクロスをファーサイドの鈴木雄が合わせるが、ゴールライン上で野田紘史がブロック。そのこぼれ球を拾った水戸が猛攻を仕掛け、最後は中央から馬場がフリーで放ったシュートはゴール左へと外れていった。その後も水戸がペースを握り、長崎ゴールを襲い続けたものの、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

ゴールを奪えなかった理由を決定力不足の一言では片付けられない。水戸の前に立ちはだかったのは、6試合勝利から遠ざかっている長崎の気迫であった。崩されても最後まで諦めることなく、ゴール前で体を張り、足を出した。それがプレッシャーとなり、水戸のシュートミスを誘発したのだ。49分、決定的なピンチを招きながらもチームの危機を救ったのは、怠ることなくゴールマウスに入った野田の執念。「正直、内容は何もなかった」と高木監督は言いながらも、「最後まで頑張った選手たちの姿勢が勝点1につながった」と選手に向けて労いの言葉を口にした。シーズンを通して、決していい流れの試合ばかりではない。大事なのは狙い通りいかない試合で集中力を切らさずに戦うということだ。そういう意味で長崎は最低限のタスクを全うしたと言えるだろう。7試合勝利のない状況となったものの、アウェイで獲得した勝点1の価値は小さくないはずだ。

ただ、その長崎の気迫を生み出してしまったのは水戸にも原因がある。それは展開力の欠如だ。水戸はビルドアップでのミスが多く、「逆サイドへの展開ができなかった」(西岡謙太)。前線にボールが入った際にはチャンスを作ることができていたが、「縦」に速い長崎を「横」に揺さぶって体力を奪いながら攻める狙いがありながらも、それができずに長崎の「頑張り」を出させてしまったのである。
水戸には1人で相手の守備をこじ開けられるような選手はいない。だからこそ、チーム全体が精度にこだわらなければならない。歯車が合えば、このチームはかつてないほどの破壊力を見せる可能性を秘めているものの、まだ微妙にずれているのが現状だ。だから、なかなか上位に顔を出すことができない。リーグ戦は残り18試合。いかに早くかみ合わせられるかが今季のチームの命運を握っている。もっとシビアに、もっとこだわりを持って、一日も早く現状の壁を乗り越えていきたい。

以上

2014.07.31 Reported by 佐藤拓也
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