平日のナイトゲームにも関わらず、11265人もの観客が詰め掛けた一戦。日が落ちて若干涼しくなったとはいえ昼間の暑さの残るなかでの試合となったが、息をつかせぬ展開で試合そのものも熱かった。
序盤はややボールの落ち着かない展開となったが、ホームの松本が地の利と声援を味方にして積極的に前へと仕掛ける。23分の船山貴之が自ら持ち込み放ったミドルシュートは枠こそ捉え切れなかったものの、場内を沸かせるには充分だった。
対する熊本も負けじと相手陣内への侵入を企てる。その中心となったのは、澤田崇と中山雄登の1年目コンビ。澤田が狭いエリアをスルスルとドリブル突破すれば、中山は足元の高い技術でチャンスメイク。それぞれが持ち味を発揮して、攻撃を組み立てた。
試合が動いたのは41分。前線で粘った 齊藤和樹からのパスを受けたフリーの養父雄仁が左足でミドルシュート。喜山康平に当たって弾道の変わったシュートがゴールに吸い込まれる。決してゴール前に人数がいなかったわけではないが、タイミングを見計らい、迷いなく狙った養父も見事だった。
勝敗を左右すると思われた先制点を奪われた松本。しかし、その3分後にその松本に得点が生まれる。縦パスを受けた喜山康平が振り向きざまに利き足ではない右でシュート。「自分に当たって失点してしまい、取り返そうと考えていた」という気持ちがボールに乗り移ったか、GK畑実の手に触れながらもゴールネットを揺らす。前節・東京V戦同様に先制されながら、早い時間で追いつくことに成功した松本は、その勢いのままに前半終了間際の44+1分に岩上祐三のロングスローに良いポジショニングをとっていたサビアが頭で合わせる。実に第11節・愛媛戦以来のゴールが飛び出し、わずか5分で松本が逆転に成功。連続弾でアルウィンは休む暇なく盛り上がった。
後半頭から熊本は上村周平に代えて巻誠一郎を投入。ホームチームに傾いた流れを取り戻すべく、勝負を賭ける。しかし勢いに乗る松本は、船山を中心にしたカウンターでディフェンスラインの裏へ度々飛び出す。こうなると熊本守備陣は手を使って止める場面が増え、熊本ゴールに近い位置でのFKの機会も増えた。ペナルティエリア内での時間も増えたが、あと一歩というところまで追い詰めながらも得点は最後まで増えなかった。
試合後に反町康治監督が「本当に強いチームは3点目を取らないといけない」と指摘するように、3点目を得られる機会は多く見られながらも最後は溜息で終わってしまったという点はこの先の課題だろう。それでも抑えるべき場面は人数をかけてしっかりと抑え、仕掛けるべき場面では一気呵成に仕掛けた。そのたびにスタジアムのサポーターは沸き、素晴らしい雰囲気が醸成された。球際にも強く、個々の選手もアグレッシブ。中3日の試合であることを思わせないほど選手たちは戦い抜いた。
小野剛監督がシュート0本に終わった後半を振り返り、「もう少し落ち着いて攻める場面はあったが、重圧を掛けられているような錯覚が選手にはあったかもしれない」と語った。その言葉通り、この試合のマンオブザマッチはホームアドバンテージを作り出した松本サポーターだったのではないだろうか。
以上
2014.07.31 Reported by 多岐太宿
J’s GOALニュース
一覧へ- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- bluelock2024
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off