22位の富山は４試合ぶりの勝利を目指す。第20節・長崎戦で今季２勝目を挙げてから天皇杯でも初戦を突破して上昇ムードは感じられる。前回のホームゲーム第22節・讃岐戦でも同点に追い付いて苦労しながらも勝点１を加算した。長崎戦でMF朝日大輔が劇的な決勝ゴールを決めた余韻が残るうちに次の１勝をつかみたい。
16位の愛媛は最近５試合で２勝２分１敗と好調だ。前節・札幌戦は後半アディショナルタイムに２失点して２−３で敗れており、再起をかける一戦になる。

富山の前節・湘南戦は０−２で敗れた。開始５分に失点して出鼻をくじかれたが、その後は粘り強く守った。少ないながらもカウンターからチャンスもあった。最後に首位の力に屈してダメ押し点を奪われたが、終盤まで勝点奪取の可能性を残しながら進められたことは前向きに捉えたい。中３日の連戦になるが、再び闘志を高めてホームゲームに備えている。
愛媛と前回対戦した第７節では０−４の大敗を喫した。前半途中までは優勢だったが、34分に先制点を許して失速。ＣＫやクロスの対応で弱さを露呈して失点を重ねた。当時はチーム状態が落ちていたとはいえ、屈辱的ともいえる敗戦だった。雪辱を果たさなければならないだろう。
2012年まで４季にわたり愛媛に在籍したMF内田健太は「前回は自身のプレーも良くなかった。注目してくれた愛媛のサポーターもがっかりしたと思う。自分の左足のことを一番よくわかっているのが愛媛サポーター。今回はコンディションも良いので、活躍して『やっぱりあいつにやられた』と悔しがらせたい」と話した。

愛媛は６位との勝点差が７で、Ｊ１昇格プレーオフ進出を狙える位置につけている。第15節で湘南に今季唯一の黒星をつけたチームであり、攻守に集中力の高さが光る。フォーメーションは富山と同じ［３-４-２-１］。ボールポゼッションが巧みで、人数をかけてしっかり守ることもできる。攻撃はシュート決定率の高さが特長だ。
前回の富山戦で２得点を挙げたFW西田剛、チーム最多の５得点で並ぶ２シャドーの堀米勇輝と河原和寿には警戒が必要。栃木などで得点を量産したFWリカルド・ロボが今月から合流し、途中出場ながらすでに２試合で試運転をすませている。

富山は３試合連続して前半に失点している。愛媛も前節の終了間際に連続失点した負のイメージを断ち切りたい。連戦でもあり、両者とも立ち上がりには注意を払ってくるだろう。富山の安間貴義監督は「ボール回しの上手な愛媛に対しては、奪いにいく時といかない時のメリハリが必要になる」と話す。ホームの富山が勝つためにどこでギアを上げていくのか注目したい。

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2014.07.29 Reported by 赤壁逸朗