前節・熊本戦は水戸にとって悔いの残る敗戦となった。「ミスだらけだった。負けて当然」と柱谷哲二監督が嘆いたように、イージーミスを繰り返し、流れを自分たちで悪くしてしまった。柱谷監督が口にした「自滅」という言葉がふさわしい敗戦であった。
中3日で挑む今節・長崎戦に向け、まずは「なぜミスが起きたのか」を見つめ直さなければならない。「集中力が欠如していたところもあったし、距離感が悪いところもあった」と柱谷監督が言うように、修正すべき点は多い。ただ、戦う気持ちがなかったためにミスにつながったかというと、そうではない。むしろ、逆であった。
「ミスを取り返そうと、いいことをしようとしすぎたことによって狙いすぎてしまい、ミスを繰り返して自分でリズムを崩してしまった」
笠原昂史がそう振り返るように、選手たちの「強い気持ち」が空回りしてしまったのだ。
2失点目の場面についても笠原は「完全に気持ちが先走って先に動いてしまった。『どうにかしよう、どうにかしよう』という思いがああいうプレーにつながってしまった」と反省の言葉を口にした。笠原だけではなく、多くの選手がミスを取り戻そうという思いが強くなりすぎて、冷静さを欠いたことが悪循環につながった。特に後半は独りよがりのプレーが増え、コンビネーションで崩す場面がほとんど見られなくなり、敗戦を喫すこととなった。
「平常心でプレーすることがいかに大事かをあらためて痛感しました」と笠原が言うように、気持ちを強く持ちながらも冷静さを失わないことが重要であると選手たちがあらためて理解したのが敗戦の中での唯一の収穫と言えよう。その経験を生かさないわけにはいかない。
中3日で行われる今節、暑さも加わり、コンディション的に難しい中でのゲームとなる。思い通りにいかない展開も多いだろう。そうした中で「体と心のバランス」(柱谷監督)をしっかり取りながら90分プレーすることが求められる。この短い期間で技術や戦術が飛躍的に向上することはあり得ない。だからこそ、今まで以上に90分間声を掛け合いながら、ミスが出てもカバーし合う意識が必要となる。
おそらくそれは長崎にも共通して言えることだろう。リーグ序盤は上位につけていたものの、現在6試合勝利から見放されており、14位まで順位を落としている。ここから巻き返しを図りたいという思いは強いはず。ただ、その思いの強さが空回りすることは避けたいところだろう。
U-23韓国代表FWイ・ヨンジェやクロアチア人MFスティッペ、深井正樹などが新たに加わり、前回対戦よりもチーム力は確実にアップしている。そうした選手たちの能力を最大限に生かすためにも落ち着いたゲーム運びが求められる。
上位に浮上するためにも、このゲームの勝点3は大きな価値を持つ。浮上のきっかけをつかむのはどちらのチームか。ハートは熱く、頭はクールに。それが明暗を分けるキーワードとなる。
以上
2014.07.29 Reported by 佐藤拓也
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