京都と福岡の激突は、京都が逆転勝利を収め、川勝京都のリーグ戦初勝利となった。
福岡は3バックを採用し、さらに両ワイドもスペースを埋めたため5バックで試合に入る。福岡FW酒井宣福がGKの手前でバウンドするロングシュートを見せCKを獲得すると、福岡が積極性を見せた。京都も伊藤優汰が積極的に仕掛けてCKを取るなど単発ではあるが攻撃姿勢を出す。
20分、福岡は左サイドから右へ展開すると、右ワイドの三島勇太がクロス。これを京都DF・バヤリッツァが頭で触ったが、そのまま京都ゴールに吸い込まれオウンゴールに。福岡が先制する。その後も福岡は27分に、左サイド後方からのクロスに酒井宣が頭で合わせゴールバーに当たるシーンも作る。
京都は34分にボール奪取から縦パス1本で大黒将志へ通し決定機を作り、42分にも伊藤優汰が裏への走り出しからドリブルで1人かわしてシュートを放ち、その直後にも左サイドで三平和司から中央へ送られたボールをゴール前に入ってきた中山博貴がフィニッシュまで持ち込むも、ゴールが遠い。
後半、川勝良一監督が「ソフトなカミナリ」を落として選手に喝を入れると、京都はギアを上げる。開始早々から三平が頭で合わせ、大黒がシュートを放つなど福岡ゴールへ迫る。その後、こう着状態に入ると、川勝監督が動く。今週に合流したばかりの新加入ドウグラスを、後半17分に投入(中山out)、さらに29分には山瀬功治を入れる(out三平)。
すると34分、その山瀬が仕掛けてCKを得る。山瀬が入れたクロスをファーサイドでバヤリッツァが頭で落とすと、中で酒井隆介が押し込んで、とうとう京都が同点に持ち込む。
さらに、その2分後。左サイドから素早く右サイドへ展開し、石櫃洋祐が入れたクロスにドウグラスが頭で合わせてゴール。ドウグラスの移籍後初ゴールで京都が逆転に成功する。その後もドウグラスは、巧みな抜け出しからGKと1対1の場面を作るなど存在感を示した。
1点差の緊迫した試合展開でのアディショナルタイム。京都の右サイド・伊藤へボールが入ると、伊藤はDFをかわして柔らかいクロスを入れる。中央で待ち構えていたのは大黒。大黒はこれを丁寧に止めると、飛び出してきていたGKの上を越えるループシュート。冷静に決めて3−1と、勝利を決定づけるゴールを決める。結局、オウンゴールで先制を許したものの後半の3ゴールで、京都が鮮やかに逆転勝利を収めた。
試合後、福岡・マリヤン・プシェニク監督は「後半になって、ただ単にボールを蹴るだけのプレーが多くなった」と口にした。城後寿はこれについて「相手が前がかりになってきていた」点を挙げた。プレスに来られてつなげなくなるのは、福岡に限らず、実は京都も同様である。相手のプレスが激しい時にどうするか、は整理しないといけなかった点だろう。前半は逆に、福岡はプレスからボールを奪って攻めることが出来ていたはず。ここはポイントになるのではないか。
京都・川勝監督はハーフタイムに選手に喝を入れたことを明かした。指揮官は、慎重に見えた前半の動きから「強く、激しく、徹底的に行け」と選手の尻を叩いた。実際に、気温30度の中で選手はよく走っていた。
スタンドから見ていて感心したのは、サイドへの展開が速く、多くなっていたことと、仕掛けが多くなったこと。仕掛けについては三平のように裏への走り出しでの表現もあった。仕掛けが多くなると、勝負のポイントがわかりやすくなる。「この勝負で勝てば得点チャンスは一気に広がる」とか、「この仕掛けで、たとえ偶然でも京都に転がり込んでくればチャンスになる」とか、観ていて「勝負!」と感じる部分が増えた気がする。もちろん、その仕掛けで失敗の場面もあるのだが、勝負所がわかりやすくなれば、選手にとっても「ここが意地の見せ所」というのも体得できるようになるのではないか。
徐々に、変わり始めた感のある京都。昇格に向け、今季はこのままの緊張、緊迫状態で突き進むしかないだろう。
最後に。今節、サポーターの方が天皇杯・鳥取戦での道中で不幸な事故で亡くなられたことについて黙とうが行われました。その際に福岡側のスタンドに「冥福をお祈りします」という横断幕が掲げられていました。筆者が感謝の意を表すのは僭越だと思いますが、京都サポーターの方にも同じ様な気持ちを持たれた方がいると思います。福岡サポーターの皆さん、ありがとうございました。
以上
2014.07.27 Reported by 武田賢宗
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