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【J2:第23節 岡山 vs 栃木】レポート:2つのチームに大きな意味をもたらしたセットプレー。岡山はその得点を契機にゲームをものにする(14.07.27)

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セットプレーがゲームを決める引き金となった。岡山は、「前半戦の総括をした時、セットプレーからの点数を増やしたいと話した」と、影山雅永監督。キッカーの上田康太も「そこで点が取れると試合運びがラクになり、チームも勢いに乗っていけるので、これからも集中してやって行きたいところ」と話す。一方、マイナスに出ているのが栃木。「最近、セットプレーで失点が重なっていて、今日もそこから2失点、スローイン絡みのところでも失点してしまい、選手も自信なさげなところが見えてしまった」と阪倉裕二監督。

しかしゲームの立ち上がりでは、栃木の攻勢が目立った。湯澤洋介は横に、ダイアゴナルにとドリブルをして仕掛け、FWの廣瀬浩二、瀬沼優司らと絡んでペナルティエリア内に突っ込んでくる。岡山は噛み合わせのズレを少々感じさせる出だしだったが、前半12分、久木田紳吾の田中奏一へのパスを皮切りに、右サイドを崩して片山瑛一、久保裕一がゴール前で決定機を迎える。この流れで決めることは出来なかったが、栃木のカウンターには冷静に対応し、徐々に岡山がペースを握り始めた。

影山監督は岡山の得点を、「その前にオープンプレーで押し込んでいたからこそ、セットプレーで取れた。オープンプレーで攻め込んでいったからこそ、セットプレーが増えた」と話したが、まさにその通りの展開だった。前半15分、田所諒の突破からFKを得た岡山は、いったん弾かれた久保のシュートのこぼれ球に久木田がダイビングヘッドで決めて先制。前節に続く久木田の反応の良さ、思いきりの良さが表れたゴールだった。
さらに前半37分。セットプレーから岡山の2点目が決まる。その直前にも、中盤で妹尾隆佑、久保と繋いだボールを、三村真が1人で相手DFをかわしてシュートに持ち込むシーンがあったが、得点シーンは上田のCKから後藤圭太がヘディングで追加点。流れの中でチャンスを作った後、セットプレーで点を取る、という岡山の即効の因果応報ぶりの裏には、栃木の弱気もあったということだろう。
岡山は前半44分、片山のスローインから田所が受け、裏に抜けた片山に再び渡り、片山のクロスに妹尾が合わせて、オープンプレーから3得点目を奪った。最初の失点の後、栃木の動きが鈍り、前半のシュート数は岡山の「10」に対し、栃木はわずか「2」に終わった。岡山はボランチの上田と千明聖典でリズムをコントロールしこと、久保がマークを背負っていたこと、そして得点後も前線からの守備をさぼらないこと、が目立った前半だった。

3点差のついた後半。栃木は前線からのプレッシャーを高めてスペースを作り、また62分に大久保哲哉、中美慶哉を同時投入。これに対して岡山は押谷祐樹、近藤徹志を入れる。栃木はシンプルにボールを入れ、岡山は守りながらもアイデアある攻撃を仕掛ける。
その中で栃木に得点が生まれたのは84分。岡山のルーズなクリアを山形辰徳が頭で落として、廣瀬が決めて1点を返す。「こういう失点をしているうちは、J1昇格と言うのはおこがましい」と影山監督。

「今日の後半は放り込まれていたが、しっかり守れていたと思うし、反省すべきは失点よりも、4点目5点目が取れなかったこと」と言うのは田所。岡山にとっては失点を防ぐよりも得点に至ることが出来なかったことが反省点だ。岡山と栃木、ともに取り組むべきことへの意識を高め、中3日で挑む次節が待ち遠しい。

以上

2014.07.27 Reported by 尾原千明
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