戦前の予想どおりの先発メンバーとなった松本。対するは先発11名の平均年齢が22.45歳と若手が顔を並べる東京V。率直に言えば、前節・磐田戦を2−1で勝利した東京Vは20位という順位が不思議なほど躍動感のあるチームだった。やはり若い選手は1つの勝利をきっかけに自信を得て、大きく成長する――。そう感じた一戦だった。
前半は両チームともに消化不良の展開。7分、決定的チャンスを得たのは東京V。セットプレー後のカウンターで相手陣内まで一気に持ち込み、澤井直人がシュート。これは村山智彦に弾かれるが、こぼれ球がフリーの南秀仁の眼前に。しかし南のシュートは枠を捉えられず。命拾いした松本はその3分後、セットプレーで得点機を創造。ゴール前からのFKで東京Vの壁の上を通る山なりのキックに飛び込んだサビアが頭で合わせるが、ゴールネットを揺らすことはできず。お互いに決定機がありながら生かしきれない。
日中の酷暑も引き、心地よい風が吹き始めた後半。先に動いたのは東京Vだった。前半に持ち味を発揮できていなかった吉野恭平を諦め、安西幸輝を投入。ボランチに澤井を動かし、中盤のてこ入れで活性化を図る。ハーフタイムには「省エネで点は取れないぞ!」(反町康治監督)、「よりハードワークしてこの勝負をものにしよう!」(三浦泰年監督)と両指揮官が前半以上のハードワークを求めて選手たちを送り出す。どちらが先制するか、試合はほんのわずかの集中も切らせない我慢比べの様相を帯びる。
ようやく試合が動いたのは75分。主導権を掴んでいた東京Vに先制点が生まれる。一度はカウンターで前を向いた松本だったが、ここで岩上祐三が痛恨のボールロスト。短いパスを繋ぎながら、ボールを受けた杉本竜士が右足を振り抜く。体勢を崩しながら打ったシュートは吸い込まれるようにゴールに突き刺さり、ここまで好セーブを続けていた村山も一歩も動くことができなかった。
しかし、先制を許した松本もそのまま指を咥えているわけではない。失点後は飯田真輝を前線に上げるパワープレーに賭けると、81分にその姿勢が実る。前へ圧力を掛けたことで得た左CKのチャンスで、ニアサイドの犬飼智也のゴールで同点。試合を振り出しに戻すと、その後は飯田が再び後ろに下がり、田中隼磨をボランチ、玉林睦実を右サイドにスライド。勝点3を狙った東京Vだったが、勝ち越しはならずに試合終了となった。
東京Vは“成長著しい若手の存在”という長所と、“セットプレー時の対応”という課題の両端を見せた。勝ちきれなかったという意味で悔しさも募るが、この先に期待を抱かせるドローだった。
対する松本は内容的には決して勝ったとはいえない苦しい一戦で勝点1をモノにした。今節で敗れた3位・磐田との勝点差を3から4へと1広げたと考えると、これも悪い結果ではないとポジティブにとらえることもできよう。
以上
2014.07.27 Reported by 多岐太宿
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