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【J2:第23節 愛媛 vs 札幌】レポート:札幌がアディショナルタイムの5分間で大逆転勝利!愛媛は受け入れがたい結果を引きずらず、前を向けるか(14.07.27)

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愛媛が勝点3をほぼ集中したかに思われた後半アディショナルタイム。その5分間に、劇的な結末が待っていた。
まずは愛媛が2−1でリードをして、アディショナルタイムに入った直後に札幌の同点ゴールが生まれる。札幌は都倉賢と丁成勲を入れてパワープレーに入っていたが、同じく途中出場の砂川誠が放り込むと最後に押し込んだのは都倉だった。土壇場で追いついた札幌は、さらにコーナーキックから櫛引一紀がボレーでJ初ゴールを決めて逆転。2度のリードを許した札幌だったが「引き分けでも御の字の展開」(財前恵一監督)から見事に勝点3を手繰り寄せた。

対照的に「非常に受け入れがたい結果」(石丸清隆監督)という愛媛にとっては、するりとこぼれ落ちた勝点3。勝点1すら得られず、少なからずダメージを受ける敗戦となった。キャプテン吉村圭司は「リードしながら消極的な守備をしてしまった」と唇を噛み、村上佑介も「ウチのよさとして前線からプレッシャーをかけるということをやらないといけない」と反省したが、リードしている時に受け身に回ってしまうのはこれまでにもあった悪い癖。第13節のアウェイ札幌戦では割り切って守り抜けたものの、今度は逃げ切ることができなかった。砂川誠だけでなく、今回は小野伸二という精度の高いキックを蹴れる選手もいて、やはり簡単に入れさせてしまうと中央での競り合いも劣勢にならざるを得ない。そこから愛媛は何度もゴールを脅かされ、今季最多タイの3失点で第8節の長崎戦以来となる2度目の逆転負けを喫してしまった。

ただ、衝撃的なラストだっただけにそれまでの展開が吹き飛んでしまいそうだが、札幌はもちろん愛媛にも収穫があるゲームではあった。札幌に関しては小野が得点に絡み、チームとしてもアディショナルタイムに追いつかれた前節から一転して、最後まで諦めず劣勢を跳ね返す勝負強さを示して勝点を取り戻した。また、失点に関しては櫛引の若さも出てしまったが、最終的にはその櫛引の決勝ゴールで勢いがつく勝ち方ができた。結果オーライのところもあるが、今後の接戦を考えればこういう苦しい展開で勝点3を取れたことは大きい。

愛媛も失点がセットプレーとパワープレーからということで、修正すべき点は明確だ。それよりも、1トップの西田剛に3試合ぶりの得点が生まれ、ショートカウンターから原川力にも待望のJ初ゴールが生まれた。特に原川に関しては、得点以外の場面でもキープ力を生かして起点になるシーンも作り出せた。河原和寿とは違う持ち味を出して結果につなげた点で、チームに新しい選択肢を与えてくれた。

また、今節のリカルド ロボ投入は結果的に裏目に出た。今回に関しては勝負を決める追加点を奪えず、守備でもチームとして前線からはめることができなかったのは敗戦の一因に挙げられるかもしれない。しかし、チームがプレーオフを諦めず勝利にこだわるのなら、新しい戦力は積極的に使ってチームにプラスになっていくようなトライをすることも欠かせない。愛媛にとってこの札幌戦は、残り19試合でより多くの勝点を積み重ねるために必要な試合だったといえるようにしなければならないが、だからこそ大事になってくるのが次節の戦い方。水曜にはアウェイ富山戦(7/30@富山)が待っており、原川が「ポジティブなところを拾って準備をしたい」と前を向くように、愛媛の選手たちは引きずることなく次の試合で勝つための準備をするより他はないだろう。

以上

2014.07.27 Reported by 近藤義博
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