前節からJ2の後半戦が始まり、同時に暑い夏のサバイバルが始まった。ホームの横浜FCは、中位の混戦を抜け出し昇格プレーオフ圏内へのサバイバル。磐田は、前節の敗戦で一度滑り落ちた自動昇格圏と優勝へのサバイバル。猛暑日が続く過酷なコンディションの中、戦術、個人技、そして精神的なタフさの総合力が試される試合となる。
横浜FCは、前節(7/20 対岐阜@長良川)での6試合ぶり勝利でようやく18位に浮上。昇格プレーオフ圏内の6位(千葉 勝点33)との勝点差は10。勝ち続けるしかない崖っぷちの状態であることには変わりがない。この状況でJ2トップクラスの磐田と当たることになるが、チームの格への意識を強めるのではなく、目の前の敵を1つ1つ倒していくというスタンスで臨むことが必要だ。順位的には逆境であることは変わりないが、山口素弘監督が就任1年目からキーワードとしている「タフさ」は、試合を追うごとに出ている。前節の勝利も、岐阜の勢いを受けながらも守備陣が集中を切らさず、74分に先制された直後に小野瀬康介のクイックリスタートから抜け目なく同点に。そして、再びリスタートでの集中力で相手を上回り、4分間での逆転劇を演じた。この精神的な充実は、この磐田戦に向けて大きな力となる。そして4試合ぶりの2得点も、得点力不足に苦しんでいたチームにとっては好材料だ。守りを固める場面、機を見て相手を仕留める場面の冷静に判断するタフさで、第4節(3/22 対山形)以来のホーム・ニッパツ三ツ沢球技場での勝利、そして連勝を果たしたい。
対する磐田は、前節の東京V戦で立ち上がりから相手の勢いを受けてしまい、ペースがつかめないうちに2失点。その後は、磐田らしい分厚い攻撃を見せるものの、1点を返すにとどまってしまった。その結果、松本に抜かれて3位となり自動昇格圏内から転落した。もちろん、まだ順位を強く意識する時期ではないかもしれないが、自動昇格圏内に居続けることが重要だ。その磐田にとっても、逆境への対応力が試されるゲームとなる。エース前田遼一が怪我の状況で、さらに金園英学も前節のゲーム中に負傷を負った。分厚い選手層を持っているクラブではあるが、この試合でチームとしての地力を見せて勝利することできれば、後半戦での湘南の追撃に繋がっていく。山田大記のカールスルーエへの完全移籍も発表されたが、山田への餞別としての勝利を挙げたい。
前回の対戦(4/20 第8節@ヤマハ)では、お互いに攻め合う展開の好ゲームが繰り広げられた。ただ、結果は3本のPKを含む2-2での引き分け。今回の対戦では、その決着をつける時だ。ともにパスワークには自信を持っている両チームだけに、中盤とバイタルエリアでの主導権をどちらが握るかが1つの勝負。もう1点は、コンパクトな陣形を保ちながら、裏を取る動きを織り交ぜる駆け引きが見所になる。磐田は前節のゲームのカウンターの場面で、ポポがオフサイドぎりぎりを抜け出しゴールをお膳立てすれば、横浜FCのスピードスター黒津勝は前回の磐田との対戦で冷静かつ華麗なプレーでゴールを奪っている。裏への意識がお互いのゴールに直結していくだろう。
夏本番で高い気温の中でのゲームが予想される。コンディションの管理も大きなポイントになる。試合が行われる26日も横浜の最高気温は32度が予想されている。しかし、両チームにとってここが正念場。ぜひ、ニッパツ三ツ沢球技場での熱い戦いを応援していただきたい。
以上
2014.07.25 Reported by 松尾真一郎
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