ドイツの優勝でワールドカップの幕が閉じて早1週間、胸の内でずっと言葉が踊っている。
世界を制したサッカーに通じるスタイルがここにあるよ。日本の2部のリーグを突っ走っているよ。有名な選手はいないけれど、若くてとっても生きのいい連中が集まっているよ。一度でいいから見てくださいな。とりこになっちゃうよ。
ツイッターとかフェイスブックとかがあったらきっとそんなふうに毎日つぶやいたりして。湘南に日々寄り添うファンやサポーターのひとたちならなおのこと、今回のワールドカップの結果に少なからず胸を反らす想いだったのではないだろうか。
とりこになっちゃうゲームといえば、真っ先に思い出すのが第19節・磐田戦だ。互いの真っ向勝負に、胸は熱いのに鳥肌が立つような、勝利の瞬間を待っているのにもう少し見ていたいような。ほんとうに目が離せなくなるとひとは時を忘れるらしい。アウェイゴール裏から届くサポーターの野太い声援に包まれて、彼らは最後まで勇ましく、たくましかった。
試合後、曹貴裁監督は語った。
「前半から怯まずに向かっていく姿勢を出し、足を止めずに最後まで相手のゴールに向かって行った彼らの勇気は監督としてすごく誇らしいです。湘南でプレーする選手たちの名前は、世の中のひとたちにはほとんど分からないような状態だと思いますが、今日観てくれた方には、6番が永木(亮太)なんだとか39番が武富(孝介)なんだとか、何番が誰なんだと分かってもらえるような試合が少しはできたんじゃないかと思う。それが何よりうれしく思います」。
振り返れば、連勝が止まってつぎが大事と思ったときも、足元を見つめ直し、自分たちのサッカーをしかと表現して勝点3を掴んだ彼らがいた。今季初黒星を喫した翌節、ホームに12,000を超える観衆を集めた第16節・東京V戦だ。
1−0で勝利した試合後、指揮官はこんなふうに語っていた。
「点差は1点でしたが、ゴールに向かう姿勢は開始から最後まであったと思いますし、そういうパフォーマンスを発揮してくれた選手たちに心の底からおめでとうと言いたいです。12,000人以上の歓声や雰囲気の後押しが、厳しい試合をモノにできたいちばんの要因だと思っています。自分たちは日々練習して、お客さんに楽しんでもらえるような、そういうチームにこれからもしていきたいと思います」。
ひとつ脳裏に深く刻まれている言葉がある。眞壁潔代表取締役会長が以前チームについて語ったくだりだ。
「誰もが知っているような有名な選手はいません。いるわけがないんです、彼らはここから有名になるのですから」。事実、昨季まで在籍したハン グギョンは韓国代表としてブラジルワールドカップを戦った。ダブルボランチを組んでいたキャプテンの永木亮太も日本代表への想いを強めている。
世界に通じるスタイルのもと、選手たちもきっと、世界に通じている。この日記にオチはないけれど、彼らの物語はこの先もまだまだ続いていくのだから、まとまらなくていい。と、胸の内でつぶやいてみる。
以上
2014.07.22 Reported by 隈元大吾
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