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【J2:第22節 栃木 vs 千葉】レポート:関塚新体制の千葉は“グリスタ”で念願の初勝利。栃木は負けパターンにどっぷりと浸かった(14.07.21)

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開始2分に失点して出鼻を挫かれた栃木は、32分に追加点を千葉に奪われたことで戦前のプランが崩壊した。リーグ前半戦の21試合を戦った中で先行された試合で逆転勝ちが1試合もなかったことからもわかるように、栃木は負けパターンにどっぷりとハマってしまったと言える。内容はそれほど悪くなかった。でも、「結果が全て。何も言えない」(西澤代志也)。“グリスタ”では未勝利だった千葉に、栃木は初白星を献上してしまった。

「中村(太亮)選手のクロスは脅威。半抜き(マーカーを半分しか抜いていない状態)でもアーリーからでも、いいボールを上げてくる。集中したい」
ケンペスと森本貴幸の2トップに加え、GK鈴木智幸が千葉の警戒人物に挙げていたのが、左サイドバックの中村だ。高精度の左足に細心の注意を払うべきだったが、試合序盤という時間帯が災いしたのか、栃木は隙を与えてしまう。そこを千葉は見逃さなかった。中村のCKからフリーで走り込んだ井出遥也が、楽々とヘディングシュートを突き刺した。

まだ、キックオフから120秒も経たぬ間に被弾した栃木。これまでならば易々と相手にペースを譲り渡していたが、この日は違った。8分のショートカウンターから近藤祐介がシュートを放ったのを契機に、強引にペースを掌握する。すると、立て続けに決定機をこしらえることに成功。12分には瀬沼優司、15分と17分には近藤が決定的なシュートを打つ。しかし、3度の決定機をいずれも逸してしまった。「チャンスで決め切らないといけなかった」と振り返ったのは、キャプテンの廣瀬浩二。その言葉どおり、32分にケンペスに2点目を奪われてしまう。チャ・ヨンファンの死角から飛び出したケンペスの巧さが光った一発だった。

2点のビハインドを背負った栃木は、後半も頭を下げることなく、ファイティングポーズを取り続ける。相手を撹乱するために左サイドの湯澤洋介が内側に入り、その代わりにFWの廣瀬を左サイドに回す配置転換が奏功。廣瀬に左サイドバックの赤井秀行が絡み、厚みのあるサイドアタックを繰り出した。だが、千葉は中で跳ね返すことを予め想定しており、それを上回る工夫と意外性を出せなかったことで、攻勢の栃木はゴールネットを揺らせなかった。対する千葉も堅守速攻の形に持ち込んだものの、肝心のシーンでの決定力に乏しく、3点目を得るには至らなかった。

複数得点を奪い、ゼロに封じる。指揮官が就任してから日が浅いことを考えれば、関塚新体制の千葉は好発進したと言えるだろう。リードしてからボールを栃木に握られ、思うように試合を運べなかったのは反省点だが、耐えるところを耐えて無失点で終えたのは大きな収穫。前が取り、後ろが守る。川崎F時代に関塚隆監督が見せたような、“らしい”勝ち方だったのではないだろうか。2トップが好調を維持しているだけに、後ろが我慢強く守れれば順位を押し上げることは困難ではないはずだ。

敗れた中でも、「アグレッシブさを個人でなく、グループで出せた」と話した阪倉裕二監督。失点してもファイティングポーズを取り続け、複数の選手が連動しながらチャンスを数多く作り出せたのは好材料だった。その反面、チャンスの数が多かった分だけ、パス、クロス、シュートと、攻撃面での課題も浮き彫りになった。これまでもそうだったが、これからも「崩すところまではいいが、その後の精度が足りない」(西澤)という問題を克服する日々が続くだろう。「攻撃のところのクオリティが上がってくれば、嫌な存在になれる」と阪倉監督が明言しているように、その目標に向けて粛々と質を向上させることに取り組んでいく必要がある。

以上

2014.07.21 Reported by 大塚秀毅
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