「私とコーチ陣の名にかけて、我々は全力を尽くして戦い、結果として6位以内を狙う。クラブの予算は少ないが、そのことと努力することは関係ない」
17日、雁の巣球技場で記者会見を行ったマリヤン・プシュニク監督は力強く宣言した。昨年発覚した経営危機を受け、今シーズンのクラブは経営健全化が最大の目標。当然のようにJ1昇格に十分な強化費は準備できず、主力選手の多くがチームを去り、当初の目標は10位〜12位に置かれていた。だが、苦しい時期を乗り越えて成長を続けてきたチームは、前半戦を終えて6位とプレーオフ圏内を確保してJ1昇格を視野に捉えている。その要因は、昨シーズンから続けてきたハードワーク。その努力が結果に結びついた。そして、さらなる成長とプレーオフ進出をかけて、福岡は後半戦の舞台に立つ。
その後半戦は、いきなりの山場を迎える。最初の5試合は、岡山を皮切りに、京都、湘南、愛媛、磐田と続く5試合。上位チームとの対戦に加え、京都は10位とは言え勝点差は僅かに2。15位の愛媛との勝点差も6しかない。前半戦の同一カードの成績は1勝3分1敗の五分だが、大混戦のJ2リーグ、そしてプレーオフ進出を争うサバイバルレースに生き残るためには、それ以上の成績が求められている。それだけではない。昨シーズンは同じようなシチュエーションから、上位陣との連戦で勝ち星を落とし続けて一気に失速。プロの意地にかけても昨年の二の舞を演じるわけにはいかない。その想いを胸に、選手たちは雁の巣球技場でボールを追う。その姿からは、これまでいくつもの壁を乗り越えてきたように、目の前に立ちはだかる壁を自分たちの手で突き破るという意思が伝わってくる。
そして20日、福岡はレベルファイブスタジアムに13戦負けなしの岡山を迎える。岡山のここまでの成績は8勝9分4敗の4位。リーグ最多の9引き分けがチームの粘り強さを示している。最大の特長は堅固な守備。前半戦の18失点は松本山雅と並んでJ2では3位タイ。無失点試合は実に9試合もあり、複数失点したのは5試合しかない。その守備力で、J2で15位の得点力をカバーして勝点をコツコツと積み重ねてきた。しかも、第17節松本戦で島田譲、鎌田翔雅が怪我を負って戦線を離脱。現在はFW登録の久木田紳吾が最終ラインに立つが、それでもチームの守備は崩れない。それはチーム戦術が全員に浸透していること、そして、全員のハードワークの上にチームが成り立っていることを意味している。リーグ戦はいかに勝点を積み上げるかの戦い。勝ち切れないチームと侮っては足下をすくわれる。
前回の対戦では、ボール支配率で大きく上回った福岡が主導権を握って試合を進め、対する岡山は粘り強い守備からカウンターを狙うという展開。お互いに持ち味を発揮し合った試合でもあった。おそらく、今回の対戦も、攻める福岡と粘り強く守ってカウンターを狙う岡山という展開になることが予想されている。ただし、岡山は引きこもっているチームではない。高い位置からの連動したプレスと、ブロックを敷いて待ち構える守備を使い分けるチーム。不用意なプレーは高い位置からのプレスの餌食になり、かといって、ゆっくりと攻め上がったのでは5バック気味になる最終ラインと、時には2列目の選手がボランチの位置に下がって3ボランチのような体系を取る岡山の守備網を崩すのは難しくなる。
福岡が目指すものは、高い位置からの激しいプレッシャーと、ボールを奪ってから縦に早い攻撃。しかし、互いのゴール前を行ったり、来たりするような展開は避けたいところだ。自分たちの戦い方をベースにしながらも、相手に守りを固められた時には、ボールをしっかりと回して相手を崩す工夫も求められる。併せて、岡山の守備力を考えれば、今シーズンの福岡の特長であるセットプレーからの得点も勝負を分けるポイントになる。
いずれにせよ、福岡がサバイバルレースに生き残るためにはホームの戦いで勝点は落とせない。難しい試合になることは間違いないが、レベルファイブスタジアムに足を運ぶファン、サポーター、そして福岡に関わる人たちとともに勝利を掴みたい。
以上
2014.07.19 Reported by 中倉一志
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