後半戦を迎えるにあたり、湘南の曹貴裁監督はいくつかのシーンを攻守ともにピックアップし、なぜ得点を奪えたのか、なぜ得点を相手に与えなかったのか、自分たちはこうして結果を出してきたんだという過程を選手たちとともにあらためて確認したという。
湘南は前半戦を20勝1敗、得点49、失点9という驚異的な数字で駆け抜けた。Jリーグ新の開幕連勝記録を14まで伸ばし、記録が止まっても成長の歩みは止まらなかった。引いて守備を固める相手が増えるなか攻略の難しさも覚えたが、それでもゴールをこじ開け、僅差を制する強さも心得た。リーグ戦ではPK以外セットプレーでいまだ得点を許していない。
ここまで全試合に先発している菊池大介は、コンディションやモチベーションの充実を口にしつつ、しかし自身の課題をつねに意識する。
「結果だけを見れば満足できるかもしれませんが、試合ではつねに課題が出ているので、それを次に活かすサイクルのなかでやっているし、手応えよりも課題のほうが残る。とくに攻撃の係わりの部分は最後の精度をもっと高めなければいけない。結果が出ているからこそもっと質を上げて、もっといいチーム、もっといい自分になっていきたい」
後半戦初戦、湘南は熊本をBMWスタジアムに迎える。うまスタで行なわれた5月の前回対戦では、熊本が序盤からロングボールを多用し、隙を突いた澤田崇のゴールで先制した。開幕連勝中の湘南にあっては今季初めてビハインドを背負ってハーフタイムを迎える展開となった。だが後半開始間もなく菊池がねじ込み追いつくと、その後、大槻周平とウェリントンも続き、湘南が逆転勝利を収めた。
熊本は以後、勝点を着々と積み上げたが、第19節京都戦以降、愛媛戦、岐阜戦といずれも複数失点を喫した。目下リーグ戦3連敗、先週末の天皇杯2回戦山形戦を含めれば公式戦4連敗中だが、その山形戦では仲間隼斗が怪我から復帰し、限られた時間のなかで攻守に存在感を示した。湘南と同じく、熊本にとっても重要なリスタートの今節である。
「熊本にはアウェイで苦しめられたし、僕たちにとっては先制点が大事だと思う」前回の対戦を踏まえ、菊池は言う。「先制できればより前にパワーを向けられる」。ただし、見据えるのはそれだけではない。「点が取れないときでもいかに慌てずに自分たちらしくプレーできるか。自分たちの基礎に立ち返り、地に足つけて相手に向かうことが大事」。サイドで躍動する菊池の攻撃への係わりには引き続き期待したい。
表現こそ違えど、遠藤航の言葉も根底で通じていよう。
「今後、相手もいろいろ対策してきて難しい戦いになるとは思いますが、相手どうこうよりも自分たちにしっかり矢印を向けてできればと思います。自分たちがやらなければいけないこと、サポーターの皆さんの前で見せなければいけないものは何なのか。上に行くためには、ただ結果を求めるだけでなく内容も併せてしっかり突き詰めなければいけない。そこはブレることなくやっていきたい」
90分のなかではよくない流れの時間帯は必ず訪れる。そのよくない時間帯こそ自分たちの軸をしっかりと持ち、何ができるかが大事だと、曹監督は語る。「一戦一戦、勝点3を積み上げていくことに戻ってさらにやっていく」。再確認した自分たちのプロセスとともに自覚を抱き、大切なリスタートの一戦に臨む。
以上
2014.07.19 Reported by 隈元大吾
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